作業療法士になるには?なり方や必要な資格、適性など解説します
あなたは今「作業療法士」という職業のなり方に興味をお持ちのことと思います。
作業療法士になるためには、なり方のステップ、求められるスキルや資格、適性など、作業療法士に関する知識を網羅的に把握することが大切です。
この記事を読んで、実際になるためのアクションを起こす準備を整えましょう。
あなたは今「作業療法士」という職業のなり方に興味をお持ちのことと思います。
作業療法士になるためには、なり方のステップ、求められるスキルや資格、適性など、作業療法士に関する知識を網羅的に把握することが大切です。
この記事を読んで、実際になるためのアクションを起こす準備を整えましょう。
作業療法士とは、身体機能の治療・改善を行う専門職です。
身体的な障がいがある方や、疾患のある方々が社会復帰するための訓練をはじめ、食事や着替え、字を書くなど日常生活に必須な行為の訓練にも関わります。
作業療法士は、理学療法による治療によって基本的な動作ができるようになった患者さんに対して治療を行います。
さらなる応用動作と問題なく社会に適応できるレベルにまで回復させる事が作業療法士の役割の一つです。
病院や施設には必要不可欠な存在になりつつあり、求人も多い職業とも言えるでしょう。
作業療法士になるには、作業療法士国家試験に合格する必要があります。
ただ、国家試験は誰でも受けられるというわけではありません。
高校卒業後に厚生労働大臣又は文部科学大臣が指定する養成施設にて、最低3年間学んで卒業する事で作業療法士の国家試験を受ける資格が得られるのです。
養成施設では、リハビリテーション医学や臨床心理学、生理学などを学ぶ事になります。
養成施設としては、4年制大学や専門学校などの選択肢がありますが、なるべく短期間で作業療法士として活躍したいのであれば、3年制の短大・専門学校に進学するのが良いでしょう。
また、社会人から作業療法士になる場合でも、まずは作業療法士のスキルや知識が学べる大学や専門学校に入学する必要があります。
作業療法士になるには国家資格を取得する事が必要で、国家試験は毎年1回2月の下旬に実施されています。
試験はマークシート方式で、主に一般的な医学知識を問う問題と実地問題が出題されています。
作業療法士国家試験の合格率は70~80%となっていて、総得点の60%以上及び実地試験の35%以上の正解が合格の目安です。
そのため、総合点が合格基準を満たしていても、実地問題の正解率が低いと合格する事はできません。
尚、合格者の発表は3月の下旬頃となっています。
作業療法士として就職・転職したいのであれば、作業療法士になる目的を明確にしておきましょう。
なぜ作業療法士として就職・転職したいのかハッキリさせておく事で、就職・転職先が探しやすくなります。
また複数の病院や施設をリストアップし比較する事も大切なポイントです。
待遇面や立地など、自分なりの条件を決めておくと良いでしょう。
例えば複数の就職・転職サイトに登録しておけば選択肢の幅が広がり、より自分の条件に合致した職場を見つけられます。
作業療法士に求められるスキルとして挙げられるのが、コミュニケーション能力です。
作業療法士は、多様な患者さんと接しながらリハビリや治療を行う必要があります。
患者さんの中にはリハビリに不安を感じている方も少なくありません。
また、病気・障がいなどを理由に上手くしゃべる事ができなかったり、言葉の意味を理解する事が難しい患者さんもいます。
そんな患者さんが抱えている不安や悩みを取り除いてあげるためにも、高いコミュニケーション能力は必要不可欠と言えるでしょう。
他にも忍耐力や患者さんのちょとした異変にも気付けるような観察力なども作業療法士に必要なスキルです。
一方、作業療法士になるには国家試験の合格が必須であるため、合格基準を満たすには臨床医学や運動学、解剖学などを学ぶ必要があります。
作業療法士の国家資格を取得するための効率的な学習方法として挙げられるのが、過去問題を解いて自分の苦手な分野や出題傾向を把握しておく事です。
様々な過去問題を解く事で、自身の苦手なジャンルや出題の傾向を知る事ができます。
また過去問題を解く事で苦手な分野が分かってきたら、その科目を優先的に勉強して問題を解くようにしましょう。
この学習法を繰り返す事で、次第に苦手な項目が少なくなる可能性が高くなります。
一方、自分1人ではどうしても解けない問題などがある場合は、オンラインの講座やセミナーを活用してみるのも良いでしょう。
オンライン講座は費用が多少かかりますが専門の講師から教わることができるので、効率的な学習が期待できます。
作業療法士には、専門的なスキルや知識をより高める事を目指すスペシャリストと、管理職として病院・施設のマネジメントを担当するジェネラリストという2種類のキャリアパスがあります。
スペシャリストは病院や施設で働きながら専門的なスキルや知識を磨いていくキャリアです。
最終的には独立して美容サロンやパーソナルトレーニングジム、整体院などを開業する人もいます。
一方、ジェネラリストを目指すキャリアプランとしては、まず管理職として病院や施設で働く事が一般的です。
経営や運営に携わるまでには多少時間を要しますが、リハビリ科の科長や施設長になる可能性があります。
ただ、管理職としてキャリアアップしていくと、職場で患者さんのリハビリを行う事は少なくなるので、その点は注意しておきましょう。
厚生労働省が公表した調査内容によると、作業療法士の平均的な年収は約430万円となっています。
作業療法士が勤務している企業の規模によって平均年収が異なっている傾向にあります。
ただ年収は経験・勤続年数などで変動してきます。
経験・勤続年数が長いほど周囲からの信頼や評価されやすく、待遇面で優遇される傾向です。
尚、雇用形態によっても年収は異なります。
アルバイトやパートの場合、時給制になるケースが多く、平均年収は200~210万と言われています。
作業療法士のメリットと言えるのが、様々な気付きを自分の生活に活かす事ができるという点です。
リハビリのメニューに関しては特に決まりはなく、患者さんごとに異なっています。
そのため患者さんがやりたい事であり、リハビリにもなる内容であれば、積極的に取り入れるケースも少なくありません。
例えばパソコンが好きな患者さんであれば、キーボードを操作する行為が指を動かすためのリハビリになります。
リハビリプランの自由度は高い事から、様々な場面でリハビリに関するアイデアが生まれやすい所は作業療法士の楽しみの一つです。
日常生活のあらゆるシーンから仕事へのヒントが得られる他、また反対に仕事の中で気付いた点を自分自身の人生に活かせる事がある点も作業療法士にとっては大きな魅力と言えるでしょう。
作業療法士のデメリットとして挙げられるのが、多忙で残業をするケースも少なくないという点です。
作業療法士は、リハビリの活動だけでなくカルテの記入などの事務的な業務も多く抱えている職業とも言えます。
自分が担当している患者さんが多くなるほど、リハビリの業務に多くの時間が割かれる事になり、事務作業ができなくなるという事もあります。
その結果、就業時間外に事務作業をするようになり、中には休日や休憩時間を返上して仕事をする人もいるようです。
また患者さんへの対応が容易ではない点も作業療法士のデメリットの一つです。
いくらこちらが親切丁寧に対応しても、患者さんが素直に応じてくれない時もあります。
さらに患者さんの中には、リハビリ内容にクレームを言う人もおり、精神的なストレスを抱えてしまうリスクが高い職業とも言われています。
ポジティブな思考を持っている人は作業療法士に向いていると言えます。
患者さんが行うリハビリは痛みを感じるなど、辛く苦しいメニューも少なくありません。
そのため、スケジュール通りにリハビリをこなす事ができなかったり思うようにいかないと、ネガティブな方向になりがちです。
一方、作業療法士がポジティブな言葉をかけたり、いつも笑顔で明るく振る舞う事ができれば、患者さんもリハビリに前向きになるなど、プラスの効果が期待できます。
患者さんを励まし一緒に笑えるような人は作業療法士の適性があると言えるでしょう。
また思いやりを持っている人も作業療法士に向いています。
体が動かせなくなったなど不安を抱えている患者さんに対し、親身に寄り添う事で信頼関係が構築しやすくなり、スムーズなリハビリが期待できます。