自分史を書いて隠れた価値観を見つける - 就活転職の自己分析
今回は「自分史」を作ってみましょう。
自分史とは、その名の通り「自分」の「歴史」のことを表し、 自分の小学校から現在(大学や社会人)までの各年代における出来事を年表にまとめたものです。自分の過去をまとめることで、これまでのどのような出来事からどのようなものを得られたか・感じたかを一覧化することができます。
この自分史を作成することで、以下の2つのメリットが得られます。
①自分の志向・価値観をはっきりとさせ、仕事・会社選びの軸となるものがわかる
- 人気がある業界で大手の会社である
- CMでよくみかけてカッコイイ
といったなんとなく良いな、といった理由で会社選びをしてしまう人もいると思います。そのように自分に本当に合っているのか?やりたい仕事ができるのか?を考えずに選んでしまうと後になって失敗だった、となる危険性があります。
そのようなリスクを回避するためにも、自分史を作ることで自分を深く理解するのは重要といえます。
②他者に対して自分がどういう人間なのかを、エピソードを含めて伝えることが可能になる
就職・転職の面接は、自分がどのような人間なのかを伝える場です。その場において、ただ単純に自分は〇〇です、と述べただけでは説得力が無いと思われても仕方がないでしょう。そこで、過去の具体的な出来事を交えて説明することができれば、相手に深く納得してもらえる可能性は高まります。
そのようなときに、自分の過去の出来事を一覧化した自分史はとても役に立つでしょう。
自分が過去に何を体験し、そこでどのようなことを考えたのかを細かく覚えているという人は少ないかと思いますので、多くの方におススメの自己分析手法と言えます。
面接では以下のような質問に答えられるようになるでしょう。
- あなたが今までで頑張ってきたことはなんですか?
- あなたがこれまでで挫折した経験はありますか?
- この仕事を志望する理由は何ですか?
- あなたの強みはなんですか?
- あなたの弱みは何ですか?
実践
それでは早速自分史を作っていきましょう。
自分史を作るに当たって難しく考える必要はありません。自分の過去を思い出してまとめていくことで完成するものなので、まずは思い出を振り返っていくつもりで気楽に進めると良いでしょう。
必要なものはペンと1冊のノートだけあれば十分です。手書きでの作成が苦手なのであればPCの文書作成ソフトなどで進めても問題ありません。
所要時間は約20分、3Stepで完成することができます。
フォーマット表を作成する
上記の図のような、横軸が小学校、中学校、高校、大学の各年代、縦軸が出来事のテーマとなる図を作成します。
テーマについて、今回は
- 勉強
- 部活・サークル
- 人間関係
- 頑張ったこと
- 夢中になったもの
の5つをテーマとしています。このテーマは自由に設定してよいものなのですが、自分の「価値観」や「モチベーションの源泉」となるものが何なのかを明らかにできるようなテーマにするようにしてください。
表に沿って過去の出来事を書き出していく
次に、表の空白の場所に対応した内容の過去の出来事を書き出していきます。
ここでは、「事実」のみを簡潔に箇条書きにまとめるようにしてください。
小学校時代のような昔のこと出来事はうまく思い出せない、という人は多いと思いますが、そのような場合には、
- 両親や当時の友人と過去について語り合う
- 当時の日記やメール等を掘り返して見てみる
などのことを行うと思った以上の出来事が発見できるかもしれません。
書き出した出来事の深掘りを行う
各年代とテーマごとの出来事を一覧化した後は、それぞれの出来事に対して深掘りをしていきます。
具体的には、出来事に対してそのとき何を感じたのか、何を得ることができたか、といったことを分析していく工程になります。分析するポイントとして以下のようなものが挙げられます。
- どのような経緯でこの出来事が起こったか?
- どのように感じたか(嬉しかった?悲しかった?)。なぜそのように感じたか?
- 当時何を考え、どのように行動したか?
- この出来事に対して今はどう思うのか?
上記を行うことで、自分の価値観や興味の対象はどのようなものなのかを知ることができます。
深掘りの例としては以下のようになります。
【夢中になったもの】
・小学生
当時流行っていたゲームにはまって夢中になってプレイした。
→友達に負けたくないと思い、ネットや本で情報を集めて自分なりの攻略法を編み出した。結果として友人の中では一番の強さになり高い達成感が得られた。負けず嫌いな性格はこのころからだと感じる。
・大学生
一人旅によく出かけていた
→行動が制限されがちな複数人での旅行よりも、自由に見て回れる一人旅のほうが好きだった。なるだけ旅費を抑えたり多くのものを見て回れるように、事前に情報を集めて綿密な計画を立てるようにしていた。多くの知識や経験を得られたし、情報収集やスケジューリングのスキルも得られたと追う。
注意点
自分史を作る際の注意点として、以下に挙げるものがあります。
①表を作って埋めること自体が目的にならない
出来事を表にまとめた時点で満足してしまいがちかと思われますが、それだけでは意味がなく、やってきた作業の時間がすべてムダになってしまいます。
そこから先の深掘りの工程に対して力を入れるほどに、得られるものは大きくなることでしょう。
②未来については書かない
自分史はあくまでも自分の過去~現在においての出来事をまとめることが目的なので、未来については書く必要はありません。
自分史を作成した後の自己分析の結果を確認した後に、未来をどうするべきかの検討は行いましょう。
まとめ
今回は自分史を作っていきました。
「自分には大した経験がない」と考えている方もいるかもしれませんが、誰しも、今までの人生には多くの出来事があり、それらが自身に影響を与え今のあなたを形作っているということは間違いないと言えます。
自分史を作ることでそれら多くの出来事を深く振り返り、自分の価値観や志向をはっきりとしたものとして認識できるようになるはずです。