自己分析は忍耐強く取り組みましょうというお話
今回は、自己分析は投げ出さずに忍耐強く取り組みましょうというお話です。
就活・転職活動が上手くいかず悩む人は少なくありませんが、話を聞いてみると自己分析を十分に行っていないために進むべき方向性が定まらず、闇雲な行動で疲弊しているパターンが多くみられます。
よく聞かれる声は
- 自己分析と言っても正解がわからないので難しい
- 本やセミナーで分析してみてもピンとくる分析ができない
- 非常に時間がかかる
といったものです。
確かに自己分析は学校のカリキュラムで習うわけではなく、就職にあたって初めて直面するケースがほとんどです。
難しいが故におざなりになることは仕方がないとも言えます。
しかし、どのようなやり方であれ、何かしら自分の傾向を発見しようと努力することで見えてくるものがあるのです。
1. 自己分析を徹底的に行った人は就活に満足している
以下のグラフは、新卒向け就職マッチングサービスを運営する「サポーターズ」が2019年に行った就活生560名へのアンケート調査の結果です。
出典元:サポーターズ就職実態調査2019
満足に就職活動を終えた学生は勝因に徹底的な自己分析を挙げ(35.2%)、満足に終えられなかった学生も敗因に徹底的な自己分析を挙げているのです(27.5%)。
面接、ES、Webテスト対策といった就職に必要不可欠な項目を大きく上回って自己分析が圧倒的な1位という結果となっています。
また、就職活動に納得できた人のうち80%弱が夢や目標を明確化できた、と答えたことに対して、納得できなかった人は50%と30%も低い数字となっています。
これらの結果から、満足のいく就職活動をするためには、わからなくてもあきらめずに徹底的に自己分析を行うことが重要であるとわかります。
忍耐強く自己に向き合うことで確実に道が開けてくるのです。
2. 仕事の成果を上げるポイントは忍耐力
科学的な観点からも、忍耐強く取り組むことが重要だというお話をしましょう。
昨今、仕事やキャリアに関する研究が世界中で進められ、「真面目にコツコツ進める事」や「諦めずに粘り強く取り組むこと」の重要性が報告され始めています。
現在心理学の世界で最も精度が高いと言われている性格診断テストは「ビッグファイブ」ですが、ビッグファイブ特性のうち誠実性(責任感があり勤勉で真面目な傾向)が高い人は仕事のパフォーマンスも高いことがわかっています。
2015年にアリエル大学(イスラエル)のHadassah Littman-Ovadia氏のチームが行った、世界各国の686人を対象にした仕事のパフォーマンスと性格に関する調査においても、最も重要な性格因子は「忍耐である」という結論を出しています。
※結果の詳細は以下の通り
ランク | 仕事に好影響な要素 | 非生産的な行動を下げる要素 |
---|---|---|
1 | 忍耐 | 忍耐 |
2 | 正直 | 熱意 |
3 | 希望 | 正直 |
4 | 熱意 | 自己制御 |
面白いのは、一見影響が大きそうな「リーダーシップ」「クリエイティビティ」「勉強意欲が高い」「チームワーク精神」は「忍耐」に比べてかなりランキングが低いということです。
いかに忍耐力が物事の成功に大事かということですね。
3. ではどのように自己分析をやればいいの?
徹底的にやるといってもどうすればよいのかわからない人も多いと多いと思いますので、ここでは少なくともこれだけは押さえておいて損はないという項目をご紹介します。
項目 | 説明 | 分析手段 |
---|---|---|
性格 | 自分の基本的な性格を知ることによって、仕事の向き・不向きが見えてきます。 | ・性格診断テスト(ビッグファイブがおススメ) ・身近な他人に自分の性格を聞く ・子供の頃からの自分史を作成 |
価値観 | 職場と自分の価値観が一致しているとモチベーションを持って働き続けられます。自己分析の中でも最も重要です。 | ・価値観を20個ほど列挙しランキング化 ・パッションテスト |
興味 | 自分の興味のあることは能力が伸びやすく、仕事の結果も出やすい傾向にあります。 | ・興味の傾向を箇条書き ・職業別興味ランキング作成 |
能力 | ・強みを仕事にすることによって仕事の結果が出やすくなります。 | ・適性診断(VIA-ISがおススメ) ・身近な他人に自分の強み弱みを聞く |
自己分析には明確な正解はないため(科学的にもこれだけやればOKという手法はまだ存在していません)、様々な手法を取り入れて自分なりに納得して動ける事を一旦のゴールとする必要があります。
ひとまずこれだけわかっていれば自信を持って行動できる、というレベルまで分析を行ったら迷わず行動しましょう。
そして行動後にはまた新しい気づきがありますので、改めて分析をし直したあと再度行動です。
自分が満足のいく場所に内定するまで分析と行動を繰り返しましょう。
行動と分析をバランスよく行うことが満足のいく就職・転職の近道です。
詳細はこちらの記事でも解説していますので、気になる方はご確認ください。
4. まとめ
今回は忍耐強く自己分析を行うことの重要性について解説しました。
ポイントは以下の通りです。
- 忍耐強く自己分析を行うことが大事
- 満足の良く就活ができるかどうかは徹底的な自己分析にかかっている(アンケート調査)
- 忍耐強さこそが物事を成し遂げるのに必要な要素(研究結果)
- 自分の性格、価値観、興味、能力は最低限知っておく
- 分析と行動をバランスよく行う
成果が出なくてツラいと感じるときでも、簡単にあきらめず、食らいついていく姿勢を持つだけでも道が開ける可能性があることを覚えておきましょう。
▼参考文献
- Going the Extra Mile: Perseverance as a Key Character Strength at Work