法務教官は、犯罪を起こした少年の更生をサポートする仕事です。

法務省に所属する公務員のひとつで、少年たちのお手本となりながら、様々な指導を行っていきます。

指導の内容は、中学校や高校の授業に近い教育的なものから、日常生活に関するものまで、非常に幅広いです。

体育指導や音楽指導など、専門的な分野の指導を行う法務教官もいます。

また、少年の保護者のサポートも、法務教官の仕事のひとつです。

法務教官は、少年が収容されている施設で、夜も監視をしなければならないため、24時間体制が基本です。

複数人の法務教官が、日勤と夜勤を交互に担当して働きます。

法務教官になるためには、採用試験に合格する必要があります。

一般の採用試験は、21歳以上30歳未満の人が対象です。

試験は1次と2次に分かれていて、1次は筆記試験で一般教養と、心理学や教育学などの人間科学に関する専門的な知識が問われます。

そして、2次試験では、面接と身体検査を行います。

法務教官の採用試験の受験資格は、年齢だけが条件で、学歴や資格などは特に重視されません。

ただ、人間科学の専門知識が問われるので、大学や専門学校では、人間科学について学んでおいた方が良いでしょう。

また、一度社会人として別の仕事を経験してから、社会人枠で採用試験を受け、法務教官になるという道もあります。

人事院が行った、令和3年の国家公務員給与等実態調査によると、法務教官の平均年収はおよそ640万円です。

法務教官は公務員なので、収入の額は報酬によって決まっています。

そして、具体的な額は、勤務する地域によって異なります。

法務教官として働き始めた時の年収は、大体300万円から400万円程度と考えておくと良いでしょう。

法務教官は、専門官から、統括専門官、主席専門官、施設長へと昇任することができます。

その昇任するタイミングで、収入が大幅に上がります。

施設長にまで昇進できれば、700万円以上の収入を得ることも不可能ではありません。

法務教官は、主に少年院あるいは少年鑑別所で働きます。

いずれも、犯罪を起こした少年を更生させる施設です。

専門官の立場の法務教官は、複数人でチームを組み、少年と直接接しながらサポートを行います。

そして、統括専門家以上になった場合、下の立場にいる法務教官を管理することも仕事に含まれるようになります。

少年院と少年鑑別所は全国にあり、その全てに法務教官が在籍しています。

働く人数は施設の規模によって異なりますが、法務教官は全部でおよそ2000人います。

少年犯罪の数は、将来的に0にはならないので、法務教官の仕事がなくなることもないでしょう。