園芸業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
園芸業界とは、植物の種子や苗、肥料、農薬に至るまで幅広い園芸関連の用品を扱う業界のことで、庭や花壇の手入れや造園を行う園芸サービス業を含むこともあります。公園や庭の芝生も、園芸業界が取り扱っています。近年は、ガーデニングブームの影響により、家庭用の園芸用品への注目が高まってきました。緑化によって人々の暮らしを支えることも、園芸業界の大切な役割です。
園芸業界に向いている人の特徴
- 自然が好きで植物への愛がある人
- 勉強熱心で知識を身につける意欲に満ちた人
- こまめに作業ができる人
- 長時間の作業にも耐えられる体力がある人
- 仲間との絆を大切にできる人
園芸業界に向いていない人の特徴
- 能動的に動くのが不得手な人
- チームワーク作業に対して苦手意識がある人
- 企画立案業務に興味が持てない人
- 屋外における作業が苦手な人
- 専門用語を覚えるのが不得手な人
園芸業界の職種適性診断一覧(全13種)
園芸業界の今後の見通し
近年、園芸業界が取り扱う家庭用の園芸用品の市場が拡大しています。
2021年12月のグローバルインフォメーションのレポートによると、ガーデニングの世界市場は2015年から2020年の5年間に緩やかに成長しました。
コロナ禍の巣ごもり需要による影響で、2021年から2026年にかけての5年間では、さらに約5%の年平均成長率が見込まれています。
この傾向は、日本にも当てはまるものです。
園芸とは縁のなかった20代から40代の比較的若い世代に支持層が多い点は、園芸業界にとっては明るい話題です。
広い園芸用品売り場を備えるホームセンターに加えて、100円均一ショップなどにも園芸用品を取り扱うところが増えてきたことから、消費者にとって園芸がより身近に感じられる存在になっています。
また、ネットショップの拡充も、新たな園芸愛好者の獲得に貢献しています。
園芸業界の課題
園芸業界にとって重要な課題が、園芸のビギナー向けの商品の開発です。
園芸を始めたものの、結局途中で挫折してしまう「園芸中断者」が多いと言われるなかで、初心者にとって気軽に挑戦しやすい園芸用品を充実させることが求められています。
その一方で、家庭で本格的な園芸を楽しみたい人のニーズにも応えられる商品を開発する必要もあります。
消費者のニーズを巧みに汲み取った商品開発の重要性が増していると言えるでしょう。
個々のユーザーのニーズに応えることに加えて、緑化事業や空間装飾事業を通して、花や緑のあふれる持続可能な社会を実現することも求められています。
また、今後の園芸業界を支える後継者の育成も課題です。
タキイ種苗のタキイ研究農場付属園芸専門学校は、農園での実習を通して野菜や花を育てるノウハウを幅広く身につけられる学校として、高く評価されてきました。
園芸業界の代表的な会社
第一園芸
都市緑化や造園緑化などの緑化事業を幅広く展開し、一般客や法人顧客向けのフラワーギフトのオンラインショップも運営
タキイ種苗
ガーデニング初心者でも育てやすい花の種子や家庭菜園でも作りやすい野菜の苗を多数販売する京都に本社をおく老舗種苗会社
サカタのタネ
園芸用品の販売に加えて「園芸通信」を通して園芸情報の発信にも力を入れる横浜に本社をおく東証プライム市場上場企業
カネコ種苗
種苗の販売や研究開発から温室の施工・設計に至るまで多岐に渡る園芸関連のサービスを提供
岐阜造園
歴史を重んじる岐阜公園の再整備からハイセンスな天空のレストラン「青山ラピュタガーデン」の屋上緑化まで、多様な魅力を放つ緑化事業を展開