アパレル業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
アパレル(apparel)は、製品としての衣服、既製服を指す英語で、ラテン語で「準備する」という意味を持つアパラーレ(apparare)を語源としています。衣類関連の業界は、ファッション業界と呼ばれることもあれば、アパレル業界と呼ばれることもあります。その2つに明確な区別はありませんが、アパレルは商業的な意味合いが強い言葉です。アパレル業界では、デザイナーやパタンナーといった商品企画をする人から販売員まで、幅広い職種の人が働いています。
アパレル業界に向いている人の特徴
- ファッションやおしゃれがとにかく好きな人
- コミュニケーション能力に長けている人
- トレンドに敏感な人
- 積極的に情報収集や情報発信ができる人
- 人に役立つ行為にやりがいを感じられる人
アパレル業界に向いていない人の特徴
- 臨機応変に対応するのが苦手な人
- 大雑把で、物事の管理が不得手な人
- 感情が表に出やすい人
- 地味な作業を続けるのが苦痛な人
- トレンドを追い求めることに興味がない人
アパレル業界の職種適性診断一覧(全14種)
アパレル業界の今後の見通し
経済産業省の調査によれば、アパレル業界の市場規模はバブル期の1990年には約15兆円あったものの、年々縮小傾向がみられ、2017年には約10兆円程度にまで縮小しました。
その一方で、同時期における衣料品の供給量に関しては、約20億点から約40億点へと倍増しています。
近年のアパレル業界は、ファストファッションの台頭により、特に中価格帯のブランドを提供するアパレルメーカーが苦境に立たされています。
また、2020年以降、コロナ禍の外出自粛の影響により、衣類を買い求める必然性を感じる人が減少し、アパレル業界の業績が伸び悩むようになりました。
ワールドは、2021年2月に「OZOC」や「anatelier」といった複数の人気ブランドを廃止し、300店舗以上もの店舗の閉鎖を決断しました。
ワールドに限らず、アパレルショップの実店舗の閉鎖が相次ぐ一方で、EC市場におけるアパレル販売は拡大傾向がみられます。
アパレル業界の課題
環境保護への取り組みが求められる時代にあって、アパレル業界においても、サステナブルな取り組みが今後の課題として挙げられます。
リサイクル素材を使ったアパレル商品の開発と共に、不要になった衣類を回収する仕組みを整えることで、持続可能な社会づくりに貢献する必要があると言えるでしょう。
ファーストリテイリングの「RE.UNIQLO」と呼ばれる取り組みは、リユースやリサイクルを身近なものにする一例です。
これは、ユニクロやGUの店舗内に設置しているRE.UNIQLO回収ボックスに不要になった衣類を入れると、難民や被災地での支援に活用されるというものです。
ワールドのエコロモキャンペーンも、エコへの取り組みとして支持されています。
また、アパレル業界では、余剰在庫の解消も大きな課題です。
流行の移り変わりが早いアパレル商品は、消費者が興味を失ってしまえば、新品のままで倉庫に眠っていることも多々あります。
余剰在庫は、倉庫での保管費用に加えて、処分費、人件費等が掛かり、アパレル業界の利益を圧迫する原因ともなっているものです。
大量生産や大量破棄は、環境保護の観点からも問題視されていて、アパレル業界が今後真剣に取り組むことが求められている課題と言えます。
アパレル業界の代表的な会社
ファーストリテイリング
「ユニクロ」や「GU」ブランドの店舗を国内外で展開する日本のファストファッション業界を牽引する存在
しまむら
トレンドを巧みに取り入れたデザイン性の高いファッションを低価格で提供
アダストリア
「GLOBAL WORK」や「LOWRYS FARM」といった若い世代を中心に高い支持を受けるブランドを複数展開
ワールド
ファッションの街・神戸に本社をおき、「INDIVI」や「TAKEO KIKUCHI」といった人気ブランドを展開する大手アパレルメーカー
オンワード
一般の衣料品からユニフォームまで幅広い衣類を手掛けるアパレルメーカー
青山商事
「洋服の青山」や「THE SUIT COMPANY」などビジネスウェアを中心に取り扱うアパレルショップを展開