【転職アンケート調査】〇〇な性格の人は50%も転職回数が多いことが判明
今回は転職と性格にどのような関係性があるかを探りました。
転職しやすい性格、しにくい性格などありそうですが、これを調査で体系的に調べたデータはなかったことが調査の動機です。
これを知ることによって、求職者は自分がすぐ転職したくなる人間か、忍耐強く同じ環境に居続けるタイプかを知ることができます。
転職しやすい性格の人は、あまり無理せず何度か転職する前提でキャリア設定することをおススメします。
逆に転職しづらい性格の持ち主は、慎重に長期的に働ける会社を見つけるのも良いでしょう。
それでは調査結果を報告していきます。
転職×性格アンケートの詳細
今回は社会人の方500名を対象に転職と正確に関するアンケート調査を行いました。
以下がアンケートの詳細です。
- 時期:2020年2月
- 人数:300名
- 年代:20~39歳の男女
- 職業:会社員、フリーランサー、経営者
- 質問:自分の性格、転職回数
性格については、「ビッグファイブ」診断を用いました。
ビッグファイブをざっくり説明しますと、性格に関する質問に応えると個人ごとに以下の5つの性格の大小がわかる診断テストであり、それによってその人の性格を上手く表現できるというものです。
- 開放性:芸術や知的、新しいものへの興味
- 協調性:他人への思いやり、やさしさ
- 誠実性:責任感の強さ、勤勉性、自己をコントロールする力
- 外向性:外の世界の人との交流しようとする意欲
- 神経症傾向:外界からの刺激による感情や情緒の安定性
ビッグファイブは現在の心理学で最も精度の高い性格分類法であるため、今回の心理分析に採用しています。
結果1:年代別の平均転職回数
本題の性格と転職の関係を見る前に、まずはアンケート結果の年代について確認していきましょう。
以下は20代、30代の平均転職回数の比較表です。
年代 | 転職回数(平均) | |
---|---|---|
20代 | 1.14 | |
30代 | 1.67 |
20代が平均1.1回、30代が平均1.7回という結果になりました。
30代でも1.7回という回数は意外と少ないですね。
社会人歴が長くなると転職回数が増えるのは当然の結果だと思いますので、今回の調査集団もごく普通の集団であることがわかります。
これを踏まえて、本題の性格との関係に進んでいきましょう。
結果2:性格別の平均転職回数(値高い)
まずはビッグファイブの性格診断で、性格特性の値が高いという分類で転職回数を見ていきましょう。
性格別の見方の説明
その前に「性格特性の値が高い」というのはどういうことか説明しますと、例えばビッグファイブ診断で以下のような結果の人がいたとしましょう。
- 外向性スコア:8点
- 協調性スコア:6点
- 誠実性スコア:5点
- 神経症傾向スコア:6点
- 開放性スコア:6点
この人は、外向性スコアが最も高く、誠実性スコアが最も低いので、「人見知りせず活発に人と関わるが、真面目さや忍耐力にかける人である」と言えます。
この、最も高いと診断された特性ごとに転職回数の平均を見ていくということです。
それを踏まえて以下の結果表を確認していきましょう。
性格 | 転職回数(平均) | |
---|---|---|
外向性が高い | 1.32 | |
協調性が高い | 1.36 | |
誠実性が高い | 1.22 | |
神経症傾向が高い | 1.26 | |
開放性が高い | 1.53 |
最も転職回数が多いのは開放性が高い人、少ないのは誠実性が高い人
最も転職回数が多いという結果になったのは、「開放性が高い人」でした。
開放性が高い人と言うのは、芸術への興味が強く、新しいものへの興味が強い人です。
この特性が強い人は転職回数が高い傾向にありました。
平均回数は1.53回です。
新しいものやクリエイティビティを重視する気質の人の転職回数が多くなりそうなのは、なんとなくそんな気がしますよね。
逆に転職回数が最も少なかったのは、「誠実性が高い人」でした。
誠実性が高い人は、真面目で忍耐強く、簡単にはあきらめない人です。
これについても転職回数が少なくなりそうな気がしますよね。
イメージではその通りになりそうなものが、アンケートという統計データを通しても実際に出たことにより、性格と転職の回数になんとなく関係性がありそうなことが見えてきました。
結果3:性格別の平均転職回数(値低い)
今度は逆に性格のスコアが最も低い、という基準で見ていきましょう。
性格 | 転職回数(平均) | |
---|---|---|
外向性が低い | 1.28 | |
協調性が低い | 1.56 | |
誠実性が低い | 1.66 | |
神経症傾向が低い | 1.63 | |
開放性が低い | 1.20 |
最も転職回数が多いのは誠実性が低い人、少ないのは開放性が低い人
ここでも先ほどと同様の結果となりました。
転職回数が1番低い人は「開放性が低い人」で1.2回、一番高い人は「誠実性が低い人」で1.66回でした。
結構差が付きましたね。
開放性のスコアが低く出た人、つまりは新しいものへの興味が薄い人は転職回数が少なく、誠実性が低い人、つまりは真面目でコツコツ頑張るのが苦手であきらめが早い人というのは転職回数が多いという結果となりました。
これもまさにイメージ通りですが、実際にデータで結果として現れました。
結果4:最も転職回数多い性格、少ない性格
では、最後にコンビネーションで見ていきましょう。
スコアが高い、低いと組み合わせてみた結果、以下のようになりました。
項目 | 性格 | 転職回数(平均) | |
---|---|---|---|
最も転職回数が多い性格 | 開放性が高い × 誠実性が低い | 1.63 | |
最も転職回数が低い性格 | 誠実性が高い × 開放性が低い | 1.10 |
転職回数と最も関連しているのは「開放性」と「誠実性」
全ての組み合わせを試してみた結果、最も転職回数が多いのは「開放性が高く、誠実性が低い人」で最も少ないのは「誠実性が高く、開放性が低い人」でした。
これを言葉で表現すると、「芸術や新しい事への興味が強く、真面目にコツコツ頑張ることが苦手な人」は転職回数が多く、「真面目にコツコツ頑張る気質で、新しい事への興味が薄い人」は転職回数が少なくなるという結果となりました。
この差を見ると1.1回と1.6回であり、性格によって50%も転職回数が多くなることがわかりました。
やはり新しいものへの興味が強い人は新しい環境や仕事を求めたがるということですね。
結果5:労働形態別の転職回数(平均)
本題からは外れますが、おまけとして労働形態別のデータもご紹介したいと思います。
かなり違いが出る結果となりました。
労働形態 | 転職回数(平均) | |
---|---|---|
大企業 | 1.01 | |
中小企業 | 1.53 | |
メガベンチャー | 2.44 | |
ベンチャー | 1.84 | |
フリーランス | 2.75 | |
起業家 | 2.00 |
大企業に勤めている人は平均1回しか転職しないにもかかわらず、ベンチャーや起業家は2回、フリーランサーに至っては3回近くも転職を経験しているという結果になりました。
大企業に入る人は長く務めるつもりで、ベンチャーなどでは転職前提で仕事をしていることがうかがえます。
また、フリーランサーの場合は、様々な企業を渡り歩いてスキルを付け独立というパターンであったり、職場になじめず転職を繰り返した結果一人でできるフリーランスに落ち着いたパターンなどいくつか考えられると思います。
まとめ
今回は性格と転職回数にどのような関連があるのか調べた結果をご紹介しました。
結果としては、誠実性や開放性が転職回数と関連が強いことがわかりました。
また、性格ではなく労働形態によっても大きな違いが出たため、入社する際の転職しやすいしづらいという空気の参考にもなると思います。
今回の記事を読んだ方は是非ビッグファイブ診断で自分の特性を把握し、転職向きの性格かどうかなどで今後のキャリアの考え方を模索すると良いと思います。
転職を望まない場合は大企業、転職を望む場合はベンチャーやフリーを志向すると入社後に社員の方々と価値観がマッチするのではと思います。