【アンケート調査】大企業/中小企業/ベンチャーの職場環境の違いが明らかになりました
前回の記事では、大企業&中小企業社員とベンチャー企業社員の「理想の職場環境」について分析した結果をお伝えしました。
その結果、大企業&中小企業とベンチャー企業で働く人達の理想の違いが見えてきました。
詳細は以下のリンクからご確認ください。
【500人アンケート】大企業とベンチャー社員が思う「理想の職場環境」は違うのか?
そこで今回は、社員の考える「理想」ではなく、「現実」の環境がどうであるかに注目してみました。
アンケートの結果、大企業と中小企業、ベンチャー企業の職場環境の違いが浮き彫りになりましたので、その内容をシェアしたいと思います。
今回の記事を通して、人それぞれの価値観に合う企業規模の選び方を知ることができます。
就活や転職の際に自己分析で自分に合う環境を探っている人は少なくないと思いますが、今まさにそのフェーズだという人は最後まで内容を確認してみてください。
アンケートの内容
前回の「理想の職場環境」同様に、20~30代の社会人男女500人に以下10の質問で5段階評価の点数をつけてもらいました。
今回は各人の持つ理想ではなく、「今現在の職場がどのような環境か」という質問です。
例えば今のオフィスが静かというよりは賑やかだと感じたら、「1:そう思うか」か「2:まあまあそう思う」を選んでもらうことになります。
- 静かでシーンとしているよりワイワイにぎやかなオフィス
- クリエイティブな直感よりもロジカルな数字重視
- 個人プレーよりもチームプレー
- 確実性よりスピード重視
- 地方よりも都会勤務
- ルールを重視するよりルールにしばられない働き方
- 安定よりも挑戦
- 似たような人の集まりではなく多様性のあるメンバー
- お金が少なくてもやりがいがあればOK
- 優秀な経営者の意見に従うより、下の社員達のアイデアで動く
- そう思う
- まあまあそう思う
- どちらでもない
- あまりそう思わない
- 全くそう思わない
大企業・中小企業・ベンチャーの職場環境の実態
それではアンケートの結果を見ていきましょう。
今回も前回と同じく大企業と中小企業の結果が似た結果になったので、それらをまとめて大企業+中小企業という形にしています。
それではまず大企業+中小企業の職場の実態からです。
大企業+中小企業の実態
以下の表が大企業と中小企業の職場環境をまとめた表です。
項目 | 点数 | 項目 |
---|---|---|
賑やか | +0.2 | 静か |
ロジカル | +0.3 | 直感 |
チーム | +0.4 | 個人 |
スピード | -0.1 | 確実性 |
都会 | +0.1 | 地方 |
ルールなし | -0.1 | ルール重視 |
挑戦 | -0.1 | 安定 |
多様性 | +0.4 | 同一性 |
やりがい | +0.1 | お金 |
ボトムアップ | -0.1 | トップダウン |
例えば「スピード重視 or 確実性重視」では-0.1で「確実性重視」寄りになっていますので、現在働いている職場が「確実性重視の社風」ということになります。
一番上の項目から見ていきますと、まずオフィスの環境としては静かというよりは賑やかだと感じる場所が多いようです。
ポイントはあまり高くありませんので、そこまで賑やかすぎるということでもありません。
また、ロジカルか直感かでいうと、どちらかというとロジカルな環境寄りのようです。
よほどクリエイティビティの求められる職場でない限り、一般的に企業では数字や論理性が重視されるかと思うので、これは納得の結果ですね。
チームか個人かでいうとチーム寄りとの回答が多くを占めましたが、企業はチームで動くことが多いため、これも予想される結果であると言えそうです。
スピードと確実性では、確実性が若干ですが上回りました。
大企業や中小企業はスピードというよりは大きな物事を着実に進めていくことに強みを持っていますので、今回の結果も確実性重視に落ち着いたものと思われます。
ルールにとらわれない働き方かルール重視の働き方かでいうと、やはり長い年月で仕組化が進んでいる大企業+中小企業らしくルール重視の方が強いという結果が出ました。
また、挑戦か安定かについても安定寄りとの結果になっていますので、ルールをしっかり作ってそれを安定的に上手く運用することによって堅実にビジネスを進めている様子が見えてきます。
多様性同一性については、大企業は中小企業でも多様性を意識した人員構成が一般的なようです。
昨今はダイバーシティなどと言われていますが、大企業中小企業ではこの考え方が浸透しているということでしょうか。
やりがいとお金については、やりがいの方が高いという結果になりました。
しかし、これは本当にやりがい重視というよりは給料が抑えられているためにお金を重視されていない風土、と感じる社員の意見でもあるようです。
最後にトップや上司の意見重視か、下のメンバーの意見重視かについては、どちらかと言えばトップダウンであり、上の層の意見で進めているのが実態のようです。
ベンチャー企業の実態
次にベンチャー企業の実態です。以下の表がアンケートの結果になります。
項目 | 点数 | 項目 |
---|---|---|
賑やか | +0.3 | 静か |
ロジカル | +0.3 | 直感 |
チーム | +0.7 | 個人 |
スピード | +0.2 | 確実性 |
都会 | +0.1 | 地方 |
ルールなし | +0.4 | ルール重視 |
挑戦 | +0.3 | 安定 |
多様性 | +0.8 | 同一性 |
やりがい | +0.5 | お金 |
ボトムアップ | +0.1 | トップダウン |
以下の項目はベンチャーと大企業+中小企業で同様の傾向でした。
- 賑やか
- ロジカル
- チーム
- 都会
- 多様性
- やりがい
その中でも「チーム」、「多様性」、「やりがい」の3つについては全て+0.5ポイント以上と大企業+中小企業よりもかなり強くその傾向が確認されました。
こういった点はベンチャー企業の大きな特徴として認識する必要がありそうですね。
次にベンチャーと大企業+中小企業で傾向が違ったものは以下の通りです。
- スピード
- ルール無し
- 挑戦
- ボトムアップ
大企業中小企業と違ってベンチャー企業はスピードが求められるという結果ですが、これはイメージ通りと言っても良いかもしれません。
ベンチャーで働く際にはスピード感を持って仕事をすることを意識する必要がありそうです。
また、ルールに縛られない働き方を推奨する空気があるようなので、ルールではない個人の裁量で仕事を進めたい人には合っていますが、すでにあるルールに従って仕事をしていきたい人にとってベンチャー企業はつらい環境かもしれません。
ベンチャーを選ぶ人は自分がどちらのタイプか考えてみましょう。
挑戦の項目が高いのは、これも先ほどのスピードと同様ベンチャーの特徴と言えるでしょうね。
安定よりも挑戦を求める人が奨励される環境で働きたい人はベンチャーを選びましょう。
最後に社員一人一人の意見や提案を重視するかトップや上司の意見を重視するかについては、わずかですが、社員の提案を重視するとの回答が上回りました。
ベンチャーの場合は大企業のような仕組みがまだ成り立っていないケースが多いかと思うので、自分の意見でルールを作っていきたい人はベンチャー、上司や経営層の人たちが作った仕組みを上手く利用して仕事を進めたい人は大企業や中小企業が合っていると言えるでしょう。
大企業+中小企業とベンチャー企業の職場環境の違い
大企業+中小企業とベンチャー企業の差についてまとめます。
項目 | 大+中小 | ベンチャー | 差分 |
---|---|---|---|
賑やか>静か | +0.2 | +0.3 | -0.1 |
ロジカル>直感 | +0.3 | +0.3 | 0 |
チーム>個人 | +0.4 | +0.7 | -0.3 |
スピード>確実性 | -0.1 | +0.2 | -0.3 |
都会>地方 | +0.1 | +0.1 | 0 |
ルールなし>ルール重視 | -0.1 | +0.4 | -0.5 |
挑戦>安定 | -0.1 | +0.3 | -0.4 |
多様性>同一性 | +0.4 | +0.8 | -0.4 |
やりがい>お金 | +0.1 | +0.5 | -0.4 |
ボトムアップ>トップダウン | -0.1 | +0.1 | -0.2 |
同じ価値観&差がない項目
まずは同じ価値観&差がない項目は以下の通りです。
- 賑やか
- ロジカル
- 都会
上記3点は共に近いポイントで、差がほとんどありませんでした。
これらのポイントは大企業、中小企業、ベンチャーという括りでは差がなく、入社を考える前に意識する必要は特になさそうです。
もちろん企業ごとには異なりますので意識が必要ですが、大企業・中小企業・ベンチャーだから〇〇の方向性だ、と考える必要がないということです。
同じ価値観&差がある項目
同じ価値観&差がある項目は以下の通りです。
- チーム
- 多様性
- やりがい
方向性は同じですが、ベンチャー企業は大企業や中小企業よりも一層チーム重視、多様性重視、やりがい重視、という価値観を持っているようです。
これら3つの要素がより強い事を事前に意識しておきましょう。
反対の価値観の項目
反対の項目は以下の通りです。
- スピード or 確実性
- ルール無し or ルール重視
- 挑戦 or 安定
- ボトムアップ or トップダウン
大企業+中小企業は「確実性」「ルール重視」「安定」「トップダウン」、ベンチャー企業は「スピード」「ルールなし」「挑戦」「ボトムアップ」という異なる価値観を持っています。
自分が入社するときにどちらが向いているかは、これらの項目で判断するのが良いでしょう。
まとめ
今回は大企業、中小企業、ベンチャー企業の職場環境の違いについて調査しました。
アンケートの分析の結果、企業規模において以下の違いがあることがわかりました。
- 大企業+中小企業:確実性、ルール重視、安定、トップダウン
- ベンチャー企業:スピード、ルールなし、挑戦、ボトムアップ
どの形態で働こうか迷っている人は、今回の結論を参考にしてみてください。