【職場環境】大企業/中小企業/ベンチャー社員の「理想と現実」を分析してみた

【職場環境】大企業/中小企業/ベンチャー社員の「理想と現実」を分析してみた

アンケート調査2024.7.6
本ページはマイナビ社などの広告が含まれています
スポンサーリンク

前回と前々回の2回にわたって、大企業、中小企業、ベンチャー企業の職場環境に関するアンケート調査の結果を共有しました。

前々回は社員の人達を対象にそれぞれが持っている理想の職場環境について、前回は社員の人たちが感じる自分達が所属している企業の職場環境について報告しました。

興味のある方は以下のリンクから結果をご確認ください。

今回は過去2回で調べた結果を用いて、「理想」と「現実」の関係性やギャップについて考察してみます。

アンケートに答えて頂いた方々は果たして理想的な職場で働けているのか、ギャップが大きいのはどの部分なのかに注目します。

これらを明らかにすることによって、まだ働いていない就活生や転職を考えている人がどのような環境に自分が入るべきなのか多少なりともの道しるべになると思います。

どの企業体が自分の価値観に近いか把握することによって、次に考えている環境を選びやすくなるでしょう。

さて、今回の結果は

  • 大企業
  • 中小企業
  • ベンチャー企業

の3つに分けてご紹介します。

また、それぞれ

  1. 理想の職場環境
  2. 現在の職場環境
  3. 理想と現実とのギャップ

について考察していきます。

それでは結果を見ていきましょう。

アンケートの内容

20~30代の社会人男女500人に以下10の質問で5段階評価の点数をつけてもらいました。

  1. 静かでシーンとしているよりワイワイにぎやかなオフィス
  2. クリエイティブな直感よりもロジカルな数字重視
  3. 個人プレーよりもチームプレー
  4. 確実性よりスピード重視
  5. 地方よりも都会勤務
  6. ルールを重視するよりルールにしばられない働き方
  7. 安定よりも挑戦
  8. 似たような人の集まりではなく多様性のあるメンバー
  9. お金が少なくてもやりがいがあればOK
  10. 優秀な経営者の意見に従うより、下の社員達のアイデアで動く
  1. そう思う
  2. まあまあそう思う
  3. どちらでもない
  4. あまりそう思わない
  5. 全くそう思わない

質問はそれぞれ、自分が思う理想と現在の環境の2回回答してもらっています。

また回答の仕方ですが、もしオフィスが静かというよりは賑やかな方が好みであれば、「1:そう思うか」か「2:まあまあそう思う」を選んでもらい、もし現実が逆の環境だとしたら「4:あまりそう思わない」「5:全くそう思わない」といった選び方になります。

最終的に全員のポイントの平均値を項目ごとに計算し、結果とします。

大企業の理想と現実

まずは大企業の「理想」「現実」「ギャップ」からご紹介します。

結果は以下の通りです。

表中の点数は中央の3点(どちらでもない)からどちら寄りに何ポイント振れているかを示しています。

例えば「スピード重視 or 確実性重視」では-0.1で「確実性重視」寄りになっていますので、現在働いている職場が「確実性重視の社風」ということになります。
大企業社員の「理想の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.4静か
ロジカル+0.3直感
チーム+0.4個人
スピード-0.1確実性
都会+0.5地方
ルールなし+0.3ルール重視
挑戦-0.1安定
多様性+0.5同一性
やりがい-0.2お金
ボトムアップ+0.3トップダウン
大企業の「現実の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.3静か
ロジカル+0.5直感
チーム+0.5個人
スピード-0.1確実性
都会+0.3地方
ルールなし-0.2ルール重視
挑戦-0.2安定
多様性+0.4同一性
やりがい+0.2お金
ボトムアップ-0.2トップダウン
大企業の「理想」と「現実」のギャップ
項目理想現実差分
賑やか>静か+0.4+0.30.1
ロジカル>直感+0.3+0.5-0.2
チーム>個人+0.4+0.5-0.1
スピード>確実性-0.1-0.10
都会>地方+0.5+0.30.2
ルールなし>ルール重視+0.3-0.20.5
挑戦>安定-0.1-0.20.1
多様性>同一性+0.5+0.40.1
やりがい>お金-0.2+0.2-0.4
ボトムアップ>トップダウン+0.3-0.20.5

ギャップのある項目

ギャップのある項目は以下の3項目でした。

  • ルールなし or ルール重視
  • やりがい or お金
  • ボトムアップ or トップダウン

まずルールについてですが、大企業で働いている社員の方たちは「ルールに縛られずに自分のやり方で仕事を進めたい」と考える人が多いのに対して、実際の職場環境で会社が求めるのは「ルールを重視して従いながら働くこと」というものでした。

自由と規律とも言えるでしょうか、本当は自由を望んでいるのに規律が重視されるというギャップがあります。

次にやりがいとお金についてですが、働いている人の理想は「やりがいよりもお金」というものに対して、企業での現実は「お金よりもやりがいを重視」というものでした。

「ある程度のお金を手に入れられるのであればやりがいはそこまで重視しない」、という理想を持って皆さん大企業で働いているようですが、企業はどちらかというと「お金よりもやりがいを重視しなさい」という雰囲気があるようです。

これも重要なギャップですね。

最後にボトムアップとトップダウンですが、社員の理想は「ボトムアップ:上層部や上司たちのアイデアで進めるのではなく、自分達のアイデアを提案して仕事を進めたい」というものに対して、現実は「トップダウン:上の決めたルールに従って働きなさい」という空気のようです。

ここも理想と現実のギャップが大きいポイントで、大企業で働きたいと思っている人は注意が必要ですね。

スポンサーリンク

ギャップのない項目

ギャップのない項目は以下の項目でした。

  • 賑やか or 静か
  • ロジカル or 直感
  • チーム or 個人
  • スピード or 確実性
  • 都会 or 地方
  • 挑戦 or 安定
  • 多様性 or 同一性

これらの項目は中にいる社員と現実の職場の乖離が少ない項目です。

まとめると以下が大企業で働く人が理想とする、かつ現実もその傾向が強い内容です。

  • 静かでシーンとした環境よりも賑やかなオフィスを求める
  • クリエイティビティよりもロジカルな議論を好む
  • 個人プレーよりはチームプレーを重視する
  • スピードよりも確実性を高める仕事の仕方をする
  • 地方よりも都会で働きたい
  • 挑戦よりも安定を重視して勤めたい
  • 同じような人達よりも様々な価値観や能力を持つ多様性のある人材を求める

総合するとこのような空気はギャップを感じずに済みやすい項目のようです。

もちろん企業ごとに特色は違いますので、全ての企業が上記の傾向になるわけではありません。

あくまでも大企業、というくくりにした場合の平均ですので、そこは取り違えないようお気を付けください。

中小企業の理想と現実

次は中小企業の結果です。

中小企業社員の「理想の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.4静か
ロジカル+0.2直感
チーム+0.4個人
スピード-0.1確実性
都会0地方
ルールなし+0.4ルール重視
挑戦-0.1安定
多様性+0.4同一性
やりがい-0.3お金
ボトムアップ+0.4トップダウン
中小企業の「現実の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.2静か
ロジカル+0.2直感
チーム+0.3個人
スピード-0.1確実性
都会-0.2地方
ルールなし0.1ルール重視
挑戦-0.1安定
多様性+0.4同一性
やりがい0お金
ボトムアップ-0.1トップダウン
中小企業の「理想」と「現実」のギャップ
項目理想現実差分
賑やか>静か+0.4+0.20.2
ロジカル>直感+0.2+0.20
チーム>個人+0.4+0.30.1
スピード>確実性-0.1-0.10
都会>地方0-0.20.2
ルールなし>ルール重視+0.4+0.10.3
挑戦>安定-0.1-0.10
多様性>同一性+0.4+0.40
やりがい>お金-0.30-0.3
ボトムアップ>トップダウン+0.4-0.10.5

ギャップのある項目

ギャップのある項目は以下の3項目でした。

  • 都会 or 地方
  • やりがい or お金
  • ボトムアップ or トップダウン

中小企業の人たちは都会と地方どちらでも良いと感じているようですが、現実は地方勤務のほうが多いようです。

ただここは理想のポイントもプラスマイナス0でしたので、あまり大きなギャップとは言えないでしょう。

次にやりがいとお金については、みんなはお金を求めていることに対して、現実の環境はそこまでお金重視ではないということがわかりました。

これは大企業と同じ傾向ですね。

会社としてはお金よりもやりがいを社員に重視してほしいと考えているようです。

また、ボトムアップトップダウンについても大企業と同じ結果で、社員は自分のアイデアを出して進めたいという理想を持っているにもかかわらず、現実は上からの指示で動くことが多いことがわかりました。

差は0.5ポイントもあり、かなり理想と現実でギャップがあるようです。

ギャップのない項目

ギャップのない項目は以下の項目でした。

  • 賑やか or 静か
  • ロジカル or 直感
  • チーム or 個人
  • スピード or 確実性
  • 挑戦 or 安定
  • 多様性 or 同一性
  • ルールなし or ルール重視

これらはほぼ大企業と同じ結果となりましたが、唯一ルール重視か重視せずかについては大企業と逆になりました。

中小企業ではみなルールなく自分達で仕事を進めたいということに対して、比較的企業側もルールを縛るようなことはせずに物事を進めて良いとなっているようです。

スポンサーリンク

ベンチャー企業の理想と現実

最後はベンチャー企業の結果です。

ベンチャー社員の「理想の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.4静か
ロジカル+0.2直感
チーム+0.2個人
スピード+0.1確実性
都会+0.4地方
ルールなし+0.4ルール重視
挑戦+0.3安定
多様性+0.7同一性
やりがい+0.1お金
ボトムアップ+0.5トップダウン
ベンチャー社員の「現実の職場環境」
項目点数項目
賑やか+0.3静か
ロジカル+0.3直感
チーム+0.7個人
スピード+0.2確実性
都会+0.1地方
ルールなし+0.4ルール重視
挑戦+0.3安定
多様性+0.8同一性
やりがい+0.5お金
ボトムアップ+0.1トップダウン
ベンチャー社員の「理想」と「現実」のギャップ
項目理想現実差分
賑やか>静か+0.4+0.30.1
ロジカル>直感+0.2+0.3-0.1
チーム>個人+0.2+0.70.5
スピード>確実性+0.1+0.20.1
都会>地方+0.4+0.10.3
ルールなし>ルール重視+0.4+0.40
挑戦>安定+0.3+0.30
多様性>同一性+0.7+0.8-0.1
やりがい>お金+0.1+0.5-0.4
ボトムアップ>トップダウン+0.5+0.10.4

ギャップのある項目

なんとベンチャー企業については、社員の理想と現実の職場のギャップがある項目はありませんでした。

これは驚きの結果ですね。

働いている社員は、大企業や中小企業に勤めている人達よりは理想に近い職場で働けているようです。

ただし、ギャップはなくとも以下の項目については、自分達が思っている理想と会社で求められる現実の強弱に違いがあるようです。

  • 思っている以上に個人プレーよりチームプレーを求められる
  • 思っている以上にお金よりやりがいを重視される
  • 思ったほどボトムアップで提案する空気ではなくトップダウン寄り

ギャップのない項目

先ほど説明した通り、全項目でギャップがないことが確認されました。

ベンチャーを目指す人は比較的会社と自分のすり合わせが上手くできているということになります。

先ほど説明した「ギャップというほどではないが、求められるレベル感が違う」という3項目に気を付ける、というぐらいが今回の結論となるでしょうか。

スポンサーリンク

まとめ

今回は過去2回にわたって調査した企業規模ごとの価値観と現実を比較し、働く職場環境の理想と現実について結果をまとめました。

ベンチャー企業にはあまりギャップがなく、大企業と中小企業にはいくつかのギャップが存在することを確認しました。

これから企業を選ぼうとしている人が企業規模で絞り込みをすることになる場合は、今回の結果を参考に検討してみてください。

スポンサーリンク

人気の自己分析診断ツール