『 神社仏閣が好き 』

そこそこ兼ね備えている

宮大工は大工の中でも特殊な仕事で、主に神社仏閣などの修繕に携わることになります。仕事が正確である必要がありますが、単に正確であればよいわけではなく、もともとあるものを損なわず、きちんと守り続けていけることが求められるのです。単に作業が上手なだけではなく、歴史や建物の成り立ち、細部の状況などについてよく調べたうえで、それを反映させながら仕事をしていく必要があります。出来上がりがどうなるかわからず、自分で試行錯誤しなければならない部分もあるでしょう。もともと神社仏閣が好きな方の方が、調査や検討もしやすく、仕事に前向きに取り組むことができるはずです。

『 体力がある 』

だいぶ兼ね備えている

宮大工は大工としての作業が仕事の中心になりますから、体力は重要になります。重いものを運んだり、木材加工など力が必要な作業があったりと、体力を消耗する仕事だからです。力仕事に耐えられなければ、仕事に穴をあけてしまうことになります。宮大工自体が人数が少ないことも多く、代わりを建てることも難しいので、一人が働けない状態だと作業に支障が生じます。その点も考え、仕事を乗り切れるだけの体力をつけておくことは必要です。また、体力があると力をコントロールしやすくなるので作業の正確さも増します。筋トレなどで力を付けていくことも必要でしょう。

『 色々なことに興味がある 』

兼ね備えていない

宮大工は専門的な仕事ではありますが、取り扱う範囲は幅広いのが特徴です。宗教や歴史について知ることは必要ですし、建築にまつわる様々な知識や技術も必要となります。さらに、昔の技術を再現するだけではなく、最新の技術も取り入れながら仕事を進めていくこともあるかもしれません。無理だと思われていたものも、これから生じる技術などを取り入れることで修復できることもあるでしょう。関わりないような分野でも興味をもって、仕事に生かすことが求められます。

『 物作りが得意 』

だいぶ兼ね備えている

宮大工は基本的には物を作る仕事です。小さいころから物を作ることが得意だったり、好きだったりする方が向いているでしょう。決められたとおりに作業するだけではなく、より理想の形に近づけていくにはどうしたらよいか、物作りが得意で器用な方の方が考えやすく、作業も慣れていることが多いですから、仕事がスムーズになります。宮大工は修業期間も長く、その期間にいろいろなことを見て学ぶことになりますが、もともと得意で好きな方なら興味を持ちやすいので、同じ期間で学べることも多くなるでしょう。

『 地味な作業もコツコツ取り組める 』

十分に兼ね備えている

宮大工の仕事は表に出ることは少ないです。人に見えないところで作業をすることがほとんどなので、仕事で直接褒められたり役に立っている実感を得る機会は少ないかもしれません。特に修行中の場合には思うような作業ができないことも多く、下回りや作業の練習などを日々行うことになりますから、仕事の面白みを感じるまでに時間がかかります。その前に辞めてしまうと仕事の楽しさを感じる前にキャリアが終わってしまいます。コツコツ取り組める方は結果として宮大工としての喜びも感じやすくなるのです。

『 慎重な行動ができる 』

そこそこ兼ね備えている

宮大工は一度失ってしまうと取り返しがつかないものなども扱います。また、作業中に不注意があると事故の恐れもあります。間違いが起きないように、慎重な行動ができるか、丁寧に作業できるかは大きなポイントです。おおざっぱな人には向かないかもしれません。

『 木材加工などの経験がある 』

十分に兼ね備えている

宮大工は主に木材を使った作業が多くなるので、基本的な木材加工についてある程度の経験があると仕事に入りやすくなります。学校などで技術を学んだ経験があるだけでも、それをもとに練習をしたり、先輩の仕事からヒントを得たりしやすくなるので、仕事に大きくプラスとなるのです。学校で学ぶことが難しい場合には、自分である程度練習したり、大工仕事の手伝いなどを通して基本を知っておくとよいでしょう。

『 数学が好き 』

兼ね備えていない

宮大工は釘などを使わずに木材を組み立てていく工法をとることが多く、設計をしっかりしておくことや寸法をきちんと計ることなどが重要になります。ちょっとした違いでうまく組み立てられなくなったり、思わぬゆがみが出てしまったりするものです。その際に必要になるのが数学の知識です。大工というと体力勝負の仕事と思いがちですが、設計から大きくかかわる場合にはこうした知識も必要です。学校で学ぶ数学程度は押さえておくと役立つことが多いでしょう。

『 芸術に興味がある 』

そこそこ兼ね備えている

神社仏閣は細かい装飾や絵など美術的な価値があるものも多く、宮大工は建物の一部となっているものについて手を加えることもあります。その際に、芸術的センスがあるとうまく作業を進めやすくなります。芸術に興味がある人はいろいろなものを見てセンスを磨いていくことができるので、宮大工の仕事に役立てることができるのです。

『 協調性がある 』

そこそこ兼ね備えている

宮大工の作業はチームで行うことも多いです。作業自体は分業でも、トータルでどう進めていくのか、統制がきちんととれていないと思うような仕上がりになりません。また、うまくやり取りができていないと事故の恐れもあるのです。また、わからないことは先輩に聞いたり、また後輩に教えていったりすることも必要です。そういったことがしやすい協調性は宮大工には必須です。

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宮大工とは、木組み工法と呼ばれる伝統技法を用いて、お城や神社仏閣の建築や修繕を行うのが主な仕事となっています。

また、木組み工法による住宅の建築を希望している方も少なからずいるため、木組み工法の技術を持っている宮大工が一般的な住宅の建築に携わるケースもあります。

宮大工が関わる建築物は精巧で古いものも多く、とても細かい作業が求められてくる事から、高いスキルはもちろん、仕事への集中力も必要になってきます。

宮大工は、釘などの金具を使わずに木材だけで建築物の建築や修繕ができる、専門性の高い職業と言えるでしょう。

宮大工になるために必須な資格はありません。

しかし、二級建築士や木造建築士、建築大工技能士といった国家資格を持っていれば、就職や転職活動では有利に働く可能性が高いでしょう。

宮大工を目指す場合、建築系の学部がある大学や専門学校に進学して必要な知識や技術を学び、卒業後は神社仏閣の建築・修繕を行っている専門の工務店に就職するのが一般的なルートと言えます。

一方、宮大工は体を動かす職業でもあるので、ある程度の体力は必要になってきます。

また、木材を組合わせた時の力のかかり具合を計算する事も宮大工の仕事であるため、物理学の知識も求められてくる職業です。

厚生労働省の2021年度賃金構造基本統計調査によれば、平均年齢が約44歳の宮大工の平均年収は、約406万円です。

また、複数サイトの調査から、実績や経験が少ない見習いの宮大工の平均年収は約300万～350万円となっています。

さらに宮大工の初任給は17万前後が平均的な相場と言われています。

一方、経験や技術を磨いて一人前の職人になると、約600万円以上の年収を得る事が期待できます。

中には1,000万円を超える年収を得ている宮大工もいます。

宮大工の年収には大きな幅があり、経験や実績、持っている技術などによって変動しやすい傾向にあります。

宮大工の主な就職先としては、宮大工専門の工務店が挙げられます。

就職後は見習いとして工務店の棟梁に付きながら、経験やスキルなどを積み重ねてキャリアアップを目指す事になります。

また、一人前の宮大工になった人の中には、独立して工務店を経営しながら働く人もいます。

既存の神社仏閣などは、経年劣化によって改修や補修が必要になるため、宮大工は貴重な存在と言えます。

歴史的建物に関わる改修や補修における需要が今後なくなってしまうという可能性は低いでしょう。

若者に関心を持ってもらうための活動を積極的に行っている企業も増えてきており、将来的には若い世代から見ても宮大工は魅力的な職業になると予想されています。