『 デザインが得意 』

兼ね備えていない

陶芸家は、主にろくろを使って土をこね食器を作るのが仕事です。ものづくりが好き、焼き物が好きなどいろいろな人が陶芸家を目指していますが、中でも特に重要だと言われているのがデザイン力です。現在は非常に手頃な値段で食器が手に入ります。そのため、陶芸家が手作業で作った食器を売るには、他にはないデザインが求められることになるのです。作るのは好きだけどデザインは苦手という人は、弟子入り期間が終わって独立するときに躓いてしまうことが多いと言われています。

『 頑固でなく柔軟 』

兼ね備えていない

陶芸家と言えば、こだわりが強く頑固で自分の道をひたすら突き進む芸術家、というイメージがありますが、現実では性格が偏屈な人は陶芸家には向いていません。確かに陶芸は芸術品としての側面も持っているものの、やはり本質は日常品。購入して使ってくれるお客さまの存在があって成り立つものなのです。そのため、お客さまの要望に素直に答え、修正にも対応できる柔軟さが必要になります。「自分のこだわりだから変えたくない」と我を押し通していると頭でっかちな作品になりがちですし、お客さまにも選んでもらえなくなってしまいます。

『 手先が器用 』

そこそこ兼ね備えている

手先の器用さも大切です。ろくろを使って食器を作るのは非常に繊細な作業で、指先のちょっとした動き、力の加減で形が大きく変わってしまいます。食器に模様を入れたり色を付けたりするにも細かな作業が必要になります。こうした作業を日常的に行うためには、やはり手先は器用な方が望ましいと言えます。

『 集中力がある 』

十分に兼ね備えている

陶芸家は集中力も大切です。ろくろを回すときは、狙った形になるよう集中する必要がありますし、窯で食器を焼くときも、炎の温度や加減を細かく調節しなければなりません。集中して一気に作業しなければならない場面が多いので、フラフラ気が散る人はあまり向いていません。

『 オリジナリティがある 』

あまり兼ね備えていない

「自分にしか作れない器を」「自分だけの作品を」という思いが強い人は、とても陶芸家に向いています。陶芸家もアーティストの一種、オリジナリティ溢れる作品を作ることは、仕事をする上で大きな動機の一つになるでしょう。オリジナリティは商品価値を高めるという意味でも大切です。他にはない、この人にしか作れないという要素は、お客さまに選んで貰うためにも大切だからです。一方、オリジナリティがある作品作りというのは非常に難しいことでもあります。人間、何の影響も受けずに作品を作ることは不可能です。影響を受けつつ模倣と思われない作品を作る力が、陶芸家に求められる適性の一つと言えるのです。

『 美術品が好き 』

だいぶ兼ね備えている

全くのゼロから作品を作ることはできません。そのため、いろいろな芸術品を見て、それを参考にしつつ自分なりの作品を作るのが楽しい、という人は陶芸家に向いています。いろいろな陶芸作品を見るのはもちろんのこと、絵画や書道など陶芸以外の美術に触れることも自分の感性を磨くことに繋がります。逆に、美術館などに行ってもいつも退屈してしまう、という人は陶芸を好きになれない可能性があります。

『 一人でいるのが苦でない 』

そこそこ兼ね備えている

陶芸家は、一人で作業している時間が圧倒的に長い仕事です。ろくろを回すのも、色や模様を入れる作業も基本的に一人で行います。そのため、単独行動が苦でないという人の方が向いていると言えるでしょう。

『 計画性がある 』

十分に兼ね備えている

一人で仕事をするということは、当然仕事の管理を自分で行う必要があります。通常の会社であれば指示をくれる上司や、仕事を手伝ってくれる同僚や部下がいますが、一人の場合計画から納品、その間の調整も自分で行わなければなりません。大手の窯元に就職する場合は事務仕事をしてくる人がいるかもしれませんが、独立する場合は全ての責任は自分にやってきます。仕事の計画を立てることができ、それに従って仕事ができる。納期に合わせて作品を作ることができる、というのはとても大切な適性となります。

『 伝統工芸に興味がある 』

だいぶ兼ね備えている

日本は、各地に伝統的な焼き物が存在します。滋賀県の信楽焼、栃木県の益子焼、愛知県瀬戸焼をはじめ、それぞれに文化や歴史、伝統的な手法などがあり、陶芸家は基礎としてこれらの伝統的手法を身につける必要があります。それにはやはり興味があった方が力も入りやすくなり、覚えもよくなるでしょう。これらの伝統にオリジナリティを加えることで、陶芸家は独自の作品を作り出して行くのです。

『 企画力がある 』

そこそこ兼ね備えている

手軽に食器が手に入る時代だからこそ、自分の作った食器に付加価値を付けるようなアイディアや企画を考えることも必要になります。その土地の伝統陶芸を元にした食器、その土地ならではの土を使った焼き物など、時代に合わせた陶芸を考えられるかどうかも、陶芸を仕事とする上では大切な適性と言えるでしょう。

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陶工とも呼ばれる陶芸家は、粘土を焼いて壷などの器を作る陶芸を職業にしている人です。

当初の陶芸は実用品を作る技能職の扱いでしたが、やがて壷や皿などの器に美術的な価値が見出だされるようになってからは芸術家と認識されるようになりました。

陶芸家は日本を含むアジア諸国に多く見られる職業ですが、これは陶芸に適した粘土を採取できる地域が限られているためです。

陶芸家は自作の陶芸品を売ることで仕事として成り立っていますが、現在でも陶芸品のほとんどは日本などのアジア諸国が産地になっています。

そのため、創作活動はアジアが最適な地域と言えるでしょう。

陶芸家になるための特別な免許や資格はありませんが、自身のイメージを正確に再現できる表現技法が必須です。

優れたイメージが浮かんでも陶芸で再現できなければ陶芸家を名乗ることはできません。

また、自作の陶芸品が売れることも職業として成り立たせるための条件であることから、相応のセールススキルが求められます。

そのため、近年では美術商など美術品を扱う業者と契約する陶芸家が増えています。

美術学校などの教育機関で基本的な知識を学び、卒業後は陶芸家に弟子入りして修行を行うのが表現技法を磨く主な方法です。

師匠と交流のある人と繋がりを持つことも弟子入りの目的と言えるでしょう。

陶芸家の年収は自作の陶芸品がどれだけ売れるかが大きな決め手になります。

一流の陶芸家なら一つの作品に数億円もの金額がつくことも稀ではありません。

一方で知名度が低く、評価もされない人はどれだけ作品を作っても売れないので陶芸家としての収入は皆無です。

複数の調査から平均的な年収は約250万～350万円ほどです。

すべての陶芸家が安定した収入を得られる訳ではありません。

陶芸家として暮らしを成り立たせるのは容易ではないのも事実ですが、芸術的なセンスがあり、優れた表現技法があれば一流の陶芸家として高く評価されます。

高い評価はそのまま高収入の要因になると言えるでしょう。

陶芸家は個人事業主なので、創作活動に限らず、窯の設置や作品の売り込みなども自分で行わなければいけません。

そのため、創作活動に専念することを目的に、美術学校や美術商などに雇用される陶芸家が多数になっています。

自身に代わって設備の管理や作品の売り込みを行ってくれるのが利点です。

一方で美術学校や美術商に向けて優先的に作品を提供する契約を結ぶことも多いので、必ずしも自由な創作活動が持続できるとは限りません。

そのため、近年ではお金は出すが口は出さない投資家に協力を求める陶芸家も存在します。

外国に拠点を置き、国際的に活動するのも新しい働き方のひとつでしょう。