『 感性が鋭い 』

十分に兼ね備えている

室町時代から受け継がれてきた伝統芸能である能に携わる能楽師は、鋭い感性が求められる職業です。美しいものに触れることで心の琴線が震えるような感受性が豊かな人は、能楽師に向いていると言えるでしょう。世襲制のイメージも強い職業ですが、研修生になったり、弟子入りしたりすることにより、能楽とは無縁な家に生まれた人でも能楽師を目指すことは可能です。

『 伝統を担う使命感や責任感が強い 』

十分に兼ね備えている

能楽師は、日本の伝統文化を受け継ぐ者としての使命感や責任感を伴う職業です。生半可な気持ちで務まる仕事ではありません。能楽の素晴らしさを理解し、多くの人々に伝えたいという強い信念を持つ人こそが、能楽師にふさわしいと言えるでしょう。使命感や責任感が強く、能楽を創り上げる一員として働く喜びを日々感じることができれば、能楽師として長く仕事を続けられるはずです。伝統芸能を担う者として、所作や言葉遣いにも気遣うことが大切です。

『 チームワークを大切にできる 』

そこそこ兼ね備えている

能楽師は、主役にあたるシテ方、脇役を務めるワキ方、音楽の演奏を担当する囃子方、狂言を演じる狂言方、と大きく分けて4つに分類されます。能の舞台においては、自身の役割をきちんと認識した上で、チームワークを生かして舞台を創り上げることが求められます。他の能楽師と密に連携を取り、ひとつの舞台に向かって精進することが必要なため、協調性が欠かせない仕事だと言えるでしょう。

『 度胸があって物怖じしない 』

そこそこ兼ね備えている

能楽師は、観客の前で演技を披露する職業です。人並みならぬ舞台度胸があり、稽古を積み重ねてきた成果を人前で発揮することが求められます。舞台に立つことに喜びを感じられる、目立つことが好きな人は、能楽師としての適性があると言えます。舞台に立つたびに緊張で頭が真っ白になってしまうというタイプであれば、残念ながら、あまり能楽師には向いていないかもしれません。

『 空気を読む力がある 』

あまり兼ね備えていない

能は、間合いが大切な芸術と言われています。能楽師は、他の能楽師と呼吸を合わせて、絶妙な間合いを取ることが重要です。場の空気を読む力があり、適切な間合いを取れる人は、能楽師に向いていると言えます。五感を研ぎ澄ませて、適した間合いを取れる力を身につけることが大事です。

『 探求心が強い 』

そこそこ兼ね備えている

芸事には終わりがないとよく言われますが、これは能楽にも当てはまることです。能楽師としてある程度の経験を積んでも、それに慢心することなく、常に探求心を持って芸事に取り組むことが求められます。芸事に妥協をせず、さらなる向上を目指して突き進めるタイプの人は、能楽師の素養があると言えるでしょう。

『 体力に自信がある 』

あまり兼ね備えていない

能楽師の仕事は、おしとやかなようにも見えますが、実はハードな仕事です。稽古期間には、お客さんに満足してもらえる演技をするために、公演が始まるまでに必死に稽古を積むことが求められます。舞台に出演している期間は、1日に2回の公演をこなすこともあり、そのスケジュールはかなりハードなものです。舞台上では、立ったままの姿勢を保ったり、中腰になったり、といった姿勢を取る必要が生じます。美しい姿勢を保って長時間舞台に立つことは、大変な労力を要します。能楽師は、並大抵の体力では対応できない仕事でもあるのです。

『 優れた記憶力を持つ 』

兼ね備えていない

能楽師は、同じ公演期間でも、昼と夜によって違う演目を演じることがあります。様々な演目のセリフや振りを覚えて表現することは決して楽なことではありません。能楽師は、高い記憶力を要する職業でもあると言えるでしょう。舞台上における立ち位置の確認など、稽古期間だけでは把握できず、実際の舞台で舞台稽古をする段階になって覚えることが必要な要素もあります。多様なシチュエーションに柔軟に適応する力を身につけることが大事です。

『 コツコツ地道な作業が好き 』

十分に兼ね備えている

能楽師は、コツコツと地味に稽古をする期間が長い職業です。舞台の成功を祈って、時には単調にも思える稽古をしっかり積み重ねることが求められます。一定のレベルに達しても満足せず、さらなるステップアップをめざし、より良い舞台を創りたいと努力ができるタイプの人は、能楽師に適していると言えます。他の能楽師と励まし合い、切磋琢磨しながら日々稽古に励むことが大事です。

『 舞台芸術への興味が深い 』

兼ね備えていない

能楽師は、能楽に限らず、舞台芸術全般に対する造詣の深さが求められます。他の舞台芸術を通して、舞台人としての自覚をさらに高めていく意識が必要です。歌舞伎や文楽をはじめとする日本の古典芸能のみならず、ミュージカルやオペラ、現代劇に至るまで色んなジャンルの舞台芸術に触れることで、視野を広げて自身の感性を養うことが大切です。

※シェアすると下の画像とテキストが投稿されます

能楽師とは日本の伝統芸能として有名な能楽のプロフェッショナルです。

能では能面をつけて舞を踊ったり、謡や囃子による表現や演出をしたりするのが主な仕事で、狂言も演じています。

能楽にはさまざまな流派があり、どれか一つの流派に属しているのが一般的です。

能楽は京都などの日本の古き伝統文化が残されている地域を中心として、日常的に観る芸能として親しまれています。

海外からも日本文化の一つとして興味を持たれていることが多く、能楽師は能楽を通じて日本だけでなく世界中の人々に娯楽の機会を与える重要な役割を果たしています。

能楽師になるには各流派で認められなければならないのが原則です。

特に流派に属さずに独学で能楽を学んで能楽師と名乗ることもできないわけではありませんが、能楽師として舞台に出たり、テレビなどに出演したりする機会を得るのは容易ではありません。

能楽協会の会員になっている実力のある能楽師がこのような表舞台で活躍しているのが実情です。

そのため、能楽師になるには能楽師に弟子入りして訓練を受けるか、国立能楽堂の研修生になって教わることが必要です。

実力を付ければ能楽協会に推薦してもらうことができ、能楽師として働けるようになります。

能楽師の平均年収は公的機関による統計データはありません。

伝統芸能についてのリサーチ会社による調査結果や、年収・求人などを取り扱う企業の推計結果から総合的に考えると、能楽師として働いている人の平均演習は450万円～550万円程度です。

能楽師は主役のシテ方、脇役のワキ方、狂言方、囃子方に分かれています。

それぞれに流派があって、どの種類の役割でどの流派に属しているかによっても年収には違いがあります。

主役のシテ方として活躍できる能楽師を目指すと年収は上がりやすく、統計情報によるとシテ方の平均年収は600万円前後です。

能楽師は個人事業主として働いているのが一般的で、特定の企業に勤めていることはあまりありません。

能楽師として弟子を抱えて指導をしながら、舞台やテレビなどに出演して収入を得ている人が多くなっています。

弟子をたくさん抱えられるくらいに有名な能楽師になると収入が伸びていきます。

能楽師の働き方として例外的なのは能楽協会で働く方法です。

能楽師として経験を積み、有名になった人は協会の運営に携わって給料を受け取っている場合があります。

ただ、能楽協会の仕事をしている人も個人事業主として業務委託を受けていることが多く、舞台に立てなくなって隠居する時期になってから雇用されるのが一般的です。