『 冷静に客観的な判断ができる 』

だいぶ兼ね備えている

裁判官は裁判で被告と原告のどちらの主張も聞かねばならないうえに、どちらかの肩を持つことは許されません。感情に流されて一方に肩入れしては、公正な裁判を行うことができません。そのため、裁判官は冷静に客観的な判断ができる人に向いている仕事です。案件によってはどちらかに同情してしまうこともありますが、裁判官として事実と法律に基づき客観的に判断しなければなりません。

『 人に対して思いやりがある 』

あまり兼ね備えていない

裁判官は、思いやりがある人に向いている仕事です。ロボットのように感情を持たず、法律に照らし合わせて裁く裁判官が優秀だと思われがちですが、思いやりも裁判官にとって大切な資質になります。みんなが納得できる判決を下すには、それぞれの立場を理解し、心情を推し量らなければなりません。法廷に立つ人の心に寄り添い、思いやりのある判決を下せる人が裁判官として適しています。

『 コミュニケーション能力が高い 』

兼ね備えていない

裁判官は、法廷の最高権力として独断で判決を下しているように見えますが、実際には弁護士や検察官のほか、書記官や事務官など、法廷に関わる様々な職種の人と連携を取らなければなりません。また、裁判によっては合議制のこともあるので、その場合は他の裁判官と話し合わねばなりません。そのため、裁判官には高いコミュニケーション能力が求められます。

『 向上心が高い 』

だいぶ兼ね備えている

裁判官は法律や判例を参考にして判決を下します。しかし、法律は頻繁に改正されるため、せっかく覚えた法律も翌年になると変わっている場合もあります。また、新しい判例に基づいて裁くこともあるため、判例を把握しておく必要があります。そのため、裁判官は法律や判例を常に新しい情報にアップデートするなど、向上心がある人に向いている仕事です。裁判官になったら勉強は終わりではなく、生涯学び続けたいとう姿勢の人に適しています。

『 謙虚な姿勢を持っている 』

兼ね備えていない

裁判官は人を捌くのが仕事であるため、知らず知らずのうちに一般庶民よりも偉いという意識を持ってしまうこともあります。しかし、上から目線で裁いていては、人から納得される判決を下すことはできません。そのため、裁判官は謙虚な姿勢の人に向いている仕事です。特別意識を持つのではなく、庶民的な感覚を身につけていることが大切です。初めは謙虚でも、裁判官として仕事をしているうちに驕りが出てしまう場合もあるので注意が必要です。

『 粘り強さがある 』

十分に兼ね備えている

裁判官は判決を下すために、被告や原告の主張を聞いたり、膨大な資料に目を通したりなど、さまざまな事を行わねばなりません。そのため、裁判官は粘り強い人に向いている仕事です。粘り強くないと、資料や証拠品の量の多さに辟易して投げ出してしまいたくなるほか、法廷で原告や被告の長い口上を聞くのも疲れてしまうでしょう。粘り強く話を聞き、証拠などを検証できる人が裁判官の資質があります。

『 責任感がある 』

兼ね備えていない

裁判官の判決により、時には人生が変わってしまうこともあります。また、法廷で扱う案件は命に関わることも多いため、いい加減な気持ちで判決を下すことは許されません。そのため、裁判官は責任感がある人に向いている仕事です。自分が下した判決に責任を持てるほか、人の人生を左右することへの責任感を感じる必要があります。

『 メンタルが強い 』

あまり兼ね備えていない

裁判官は、メンタルが強くないとやっていけない仕事です。社会的に関心の高い裁判で判決を下した時、どんな判決であっても賛否両論が巻き起こることがあります。批判の声を聴くたびに傷ついたり、ストレスを感じたりするような人は、裁判官になるとメンタルがやられてしまうでしょう。そのため、裁判官は精神的に強い人に向いている仕事です。信念を持って下した判決なら、誰に何と言われようが気にしないメンタルでいられる人に適しています。すぐにクヨクヨ悩む人には向いていません。

『 洞察力が高い 』

十分に兼ね備えている

裁判官は、法廷において人々がどのように話し、どのように立ち振る舞うのかをしっかりと見極められる洞察力に優れた人に向いている仕事です。洞察力は生まれつき持っていなくても、訓練で高めることができます。普段から多角的な視点で物事を見るようにしたり、周囲に気を配り情報収集を積極的に行うことが、洞察力アップに繋がります。

『 俯瞰して物事を判断できる 』

兼ね備えていない

裁判官は、証拠や証言などをもとに総合的に事実を認定する能力が必要となります。細かい証拠や証言など、点と点を繋ぎ合わせ、線に繋げて事実を導き出さなければなりません。1つの事象だけにこだわっていると、全体像が見えなくなることがあります。裁判官として活躍すると高められる能力ですが、事実を見抜く生まれつきの資質やセンスも求められます。

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裁判官は、裁判所に勤務して裁判を行う職業です。

裁判所は民事であれば私人が、刑事であれば検察官が訴えた事件に対して法律を適用し、中立の立場から判決を下します。

国家の三要素の一つである司法権を担う存在なので、裁判官の身分は国家公務員です。

国家公務員ではあっても、三権分立の観点から憲法で強い身分保障が認められています。

これは、人事権をちらつかせることで裁判の公平さが害されることを防ぐことが目的です。

裁判官は自らが事件を探すことはせず、民事でも刑事でも訴えの提起があってからそれに対して判断を下しますが、訴訟要件を満たさない場合は中身の判断は行いません。

裁判官になるための一般的なルートは、司法試験に合格して司法修習を経て、裁判官に任官される流れです。

弁護士と異なって、裁判所に採用されなくてはなりませんが、司法修習中に見込みがある人に対しては、現役の裁判官がスカウトを行うこともあります。

いずれにせよ、司法修習での成績は審査対象なので、裁判官になりたい人は司法修習中も成績上位を目指して勉強しましょう。

他には、弁護士任官という制度もあります。

これは、弁護士としての経験が3年以上の人を対象にしています。

希望者は各弁護士会に申請をして、推薦委員会が推薦を行うか決めて、推薦されれば最終的に裁判所が採用するかどうか決める流れになっています。

複数の調査を参考にしてわかる裁判官の平均年収は、900万円から950万円程度です。

ただし、裁判官の給与は「裁判官の給与等に関する法律」によって細かく規定がなされているので、階級でどのくらいの給料がもらえるのかは明らかです。

それによると、裁判官として勤務を始めて一番最初の階級では、月収が23万4900円です。

キャリアを重ねていき、最終的に最高裁判所長官になると、月収が201万円になります。

これらは賞与や手当などが含まれていないので、それを含めて考えると、裁判官になりたての場合の年収は約360万円ほどです。

最高裁判所長官にもなれば年収は約3200万円となります。

裁判官は裁判所に就職します。

特定の裁判所にずっと勤務するわけではなく、各地にある地方裁判所や家庭裁判所、高等裁判所などを転勤していきます。

ただし、裁判官は出向することもあります。

主な出向先は、法務省や検察庁です。

出向していてもあくまで身分は裁判官であるため、一定期間が経過すればまた裁判所勤務に戻ることになります。

裁判官は10年が任期ですが、特に問題を起こしていないような場合は更新されるのが慣例です。

したがって、定年まで働き続けることができます。

人によっては途中で裁判官をやめて、弁護士として活動する方もいますが、そうした方は俗にヤメ判と呼ばれます。