SWOT分析で4つの軸から自分を評価する - 就活転職の自己分析
今回は、「SWOT分析」をやってみましょう。
SWOT分析とは、元々は企業が経営判断を行うために使うフレームワークの一つなのですが、自己分析に応用が可能であり、よく使われる手法となっています。
SWOT分析のSWOTとは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat) の頭文字を取ったものであり、具体的に自己分析においては以下のようになります。
- 強み(Strength):自分の持つ強み、得意なこと
- 弱み(Weakness):自分の持つ弱み、苦手なこと
- 機会(Opportunity):就活市場において自分に有利と考えられる事象
- 脅威(Threat):就活市場において自分に不利と考えられる事象
このSWOT分析を行うことで、自分自身の強みと弱みだけでなく、就活市場という外部の要因についてもわかりやすくまとめることができるので、それらをかけ合わせることで自分が活躍できる場所について深く考察することが可能になります。
自分がもっとも輝ける場所はどこなのかを知りたいと考えている人におススメの自己分析手法です。
面接では以下のような質問に答えられるようになるでしょう。
- あなたの得意なことはなんですか?
- あなたが苦手なことはなんですか?
- この仕事を志望する理由を教えてください。
- あなたのこの仕事に向いていると思う理由は何ですか?
実践
それでは早速SWOT分析を行っていきましょう。
用意するものはペンと紙またはノートだけでOKです。
PCの文書作成ソフトなどを使用するのも自由なので、好きなほうを使いましょう。
所要時間は約30分、3Stepで完成することができます。
テンプレ―トを作成する
まずは上の図のようなテンプレートを作ります。
SWOTのそれぞれを2×2の表のように配置し、左右側2つがそれぞれプラス面とマイナス面、上下側2つがそれぞれ内部要因と外部要因に分けられる形になります。
テンプレ―トの空欄を埋めていく
テンプレートのSWOTそれぞれの空欄の中を箇条書きで書き出していきます。
例として、以下のような項目が挙げられます。
強み(Strength)
- 地道に努力を積み重ねられる
- 知的好奇心が高い
- 自分で物事を決めるのが好き
- 新しいことへの挑戦が好き
弱み(Weakness)
- 他人に強制されるのが苦手
- 英語力に不安がある
- 大勢の人をまとめた経験がない
- 単純作業が苦手
機会(Opportunity)
- 実力主義の広まり
- ベンチャー企業の台頭
- 国際化
- IT化の推進
脅威(Threat)
- AIによる人材の代替
- 終身雇用の終焉
- 海外の人材との競争
- 人口減少による経済停滞への不安
強み・弱みについては些細に思うようなことでもできるだけ多く書き出していきましょう。
小さく見えることでも、状況や他人の目から見た場合だと、思った以上に重要なことになりうる可能性があるからです。
機会・脅威(就活市場において自分に有利・不利と考えられる事象)については、普段から市場の動向などについての情報を追ってはおらず、すぐに思い浮かばないという人は多いかもしれません。
しかし、ここできちんと調べて書き出しておかないとSWOT分析をする意味が無くなってしまいますのでどうにか頑張っていきましょう。
ここで調べたことや、情報を追う習慣を身に着けておくことは、SWOT分析のためだけでなく、これからの就活全般において役に立つはずです。
クロスSWOT分析を行う
Step2においてSWOTの各項目についての洗い出しを行いましたが、これだけでは具体的に何を行えばよいのかが、まだ見えてこないかと思われます。
そこで、書き出したSWOTをさらにかけ合わせて戦略を考える「クロスSWOT分析」を行います。
具体的には、以下の4つのかけ合わせについて考えます。
強み×機会
「機会」に対して自分の「強み」をいかに活かして多くの利益を得られるか?を考えます。
例:実力主義の会社において、地道にスキルを伸ばすことで多くの活躍の機会が得られるようにする。
強み×脅威
「脅威」に対して自分の「強み」をいかに活かして悪影響を少なく抑えられるか?を考えます。
例:AIによる人材の代替に対して、AIが苦手とする分野の仕事への挑戦をする。
弱み×機会
「機会」に対して自分の「弱み」をいかに克服してチャンスを得ることができるか?を考えます。
例:自己裁量で動けるような、自分に合った働き方のできるベンチャー企業を探す。
弱み×脅威
「脅威」に対して自分の「弱み」をいかにカバーして被害を抑えることができるか?を考えます。
例:国内需要低下のリスク軽減のため、海外市場を相手にした仕事へ適合できるように、苦手な英語学習の習慣を欠かさないようにする。
このように、クロスSWOT分析を行うことで、これまででは思いつかなかったような自身に最適な戦略・行動を具体的に練ることが可能になります。
注意点
SWOT分析ですが、外部要因と自己の要素をかけ合わせて戦略を練ることができるという独自のメリットはあるのですが、自身への理解を深めるという点においては、強みと弱みを一覧化していくという工程を行うだけのSWOT分析では浅いものとなってしまうかもしれません。
自身への理解の深掘りをしたい場合には、他で紹介した自己分析手法にて行うのがよいでしょう。
順番として、自身への理解の深掘りをした後で、外部要因とのかけ合わせでさらなる分析と戦略の立案を行うSWOT分析に取り組むのがおススメと言えるでしょう。
まとめ
今回はSWOT分析により、自身の強み弱みと外部要因の一覧化、およびそれらのかけ合わせで自身の最適な戦略を導く手法を行いました。
実践するにおいて必要な就活市場における動向などの情報は、志望する企業・業界の研究などと併せて行うことで効率よく集めることができると思われます。
また、SWOT分析は元々ビジネス用のツールであり、実践することで得られた知見は就職活動以降での仕事においても大いに役に立ってくれることでしょう。