なぜなぜ分析で自分の本質を追求する - 就活転職の自己分析
今回は「なぜなぜ分析」を使った自己分析を行っていきましょう。
なぜなぜ分析とは、問題に対して「なぜ?」を5回程度繰り返し問いかけることで物事の本質や因果関係を分析し、本当の原因を突き止めるという問題解決の方法です。
例としては以下のようになります。
課題:雨が降る日なのに傘を忘れてしまった
問1:なぜ忘れてしまったのか?
→普段は傘を持ち歩かないから
問2:なぜ普段は持っていないのか?
→雨が降る日だけ持っていくようにしていた
問3:なぜその日は持って行かなかったのか?
→雨が降るとは思わなかった
問4:なぜ思わなかったのか?
→天気予報を見ていなかった
問5:なぜ天気予報を見ないのか?
→朝はギリギリに起きて準備で忙しくしているから
上記の例では、傘を忘れた原因として、朝起きた後の準備に余裕がないという要因を導き出しています。
元々はトヨタ自動車の生産現場で生まれて実践されていたもので、その後広く一般にも認知されるようになり、自己分析にも応用されるようになりました。
このなぜなぜ分析を使い、自分の経験や考え方を深掘りして分析をすることで、うっすらとしか認識していなかったり気づいていなかった自分の価値観や行動基準をはっきりと明文化することが可能になります。
その結果、自分に向いていると考えられる会社選びや、今までは目を向けることのなかった業界や職種への発見につながることでしょう。
また、自分の強みなどをなぜなぜ分析で深掘りすることで、自己PRにおいての説得力を増すことができ、エントリーシートや面接などにおいて大いに役に立ってくれることでしょう。
自分の価値観や志望業界選びの軸がはっきりしておらず、方向性に不安を感じているという人におススメの自己分析手法となっています。
面接では以下のような質問に答えられるようになるでしょう。
- あなたがこの会社を志望する理由は何ですか?
- あなたがやりがいを感じることはなんでしょうか?
- 仕事において大切なものは何だと考えますか?
- あなたの好きなものはなんですか?それはなぜですか?
- あなたの苦手なものはなんですか?それはなぜですか?
実践
それでは早速なぜなぜ分析を使った自己分析を行っていきましょう。
用意するものは、ペンとメモ帳だけで大丈夫です。スマートフォンのメモアプリなどでもOKです。
所要時間は約15分、3Stepで完成することができます。
深掘りするテーマをリストアップする。
なぜなぜ分析を使って深掘りをしたいテーマを挙げていきます。自分の価値観が考え方が現れるようなテーマにしましょう。例えば、
- 〇〇の仕事がやりたい
- 〇〇を頑張った、成功させた
- 〇〇が好きだ、得意だ
- 〇〇が嫌いだ、苦手だ
といったものが挙げられます。
テーマに対して「なぜ?」で深掘りしていく
Step1でリストアップしたテーマの中から一つ選び、それに対して「なぜそうなのか?」などの問いかけを重ねていきます。
一つ目の問いに対して答えを出し、この答えに対して再び「なぜ?」の問いかけを行い、この問いに対してまた答えを出し…の繰り返しを5回ほど行うことを目標とします。
例としては、以下のようなものになります。
テーマ:プログラマーになりたい
問1:なぜプログラマーになりたいのか?
→プログラミングが好きだから
問2:なぜプログラミングが好きなのか?
→自分が作ったものが思ったように動くのが楽しいから
問3:なぜ楽しいと思うのか?
→面倒なことを自動でさせたり、問題を解決できるのが嬉しいから
問4:なぜそれらが嬉しいのか?
→人に楽をさせられると感謝されるから
問5:なぜ感謝されると良い?
→自分が世のために役に立っていると感じられるから
上記の例ではプログラマーになりたいという希望から、人の役に立つことをしたいと考える価値観を掘り出していく過程が現れているかと思います。
ちなみに、必ずしも5回繰り返すことが必要というわけではなく、納得のいく答えが見つかった場合には4回で終了しても構いません。また、納得のいく答えが見つからない場合には6回、7回とさらに問答を重ねていきましょう。
テーマに対する答えをまとめる
Step2で行った問答を整理し、人に伝えやすいような形式の文章にまとめましょう。
「結果←原因←原因…」のような構造になっている、なぜなぜ分析の結果から、「〇〇なので、△△である」といった文章に落とし込むことで、自分にも他人にも理解しやすいものとなります。
一つのテーマに対してStep3までまとめ終わったら、Step1でリストアップした他のテーマについても同様に取り組んでいきましょう。
様々なテーマについて深掘りをしていくことで、自分自身についての認識がより深く正確に行えるようになるでしょう。
ポイント
なぜなぜ分析を行うにあたって、以下のポイントがあります。
自己分析中は正直に答える
自己分析により、自分の本当の価値観や志向を探り出すのが目的なので、社会的な正しさや「こうあるべき」といった考えからの答えを出すことはせずに、自分の本音に正直になるように答えを出すようにしてください。
そうでなければ、本来の自分とは異なるものが反映された結果を導くことなってしまい、後々自らが苦しむことにつながってしまいます。
もちろん、自己PRなどで他人に伝える際には結果をすべてそのまま出す必要はなく、うまくカバーした表現にしていきましょう。
「なぜ」だけでなく「なに」も使っていく
「なぜ」だけで問いを続けていくことが難しくなった場合には、「なに」を使って問いを行っていくことをおすすめします。
「なぜ〇〇なのか?」だけでなく「具体的になにが〇〇なのか?」のような問いを行うことで、新たな着眼点を広げていくことが可能になリます。
まとめ
今回は、なぜなぜ分析を使った自己分析を行いました。
なんとなく就職活動をした結果、本当に自分がやりたい仕事はこれではなかった・会社が自分に合っていなかった、といったことに後になって気づくといった話はよく聞くことかと思われます。
そのような事態を避け、本当に自分が求めている方向へ進むためにも、まずは自分自身の価値観や行動基準を深く知ることが大切となります。
なぜなぜ分析による自己分析は、そのために大いに役に立ってくれるでしょう。