貿易業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
貿易とはある国と別の国とがものやお金を取引することを指します。貿易業界はこの貿易に従事する企業や人間の総称のことです。大小を問わず多くの企業や職種から成り立っているので、世界の状況によってダイレクトな影響を受ける業界だと言えます。日本は四方を海に囲まれている海洋国家です。石油や食料なども外国との貿易に依存しています。ですから貿易業界の活動は日本人の生活にとって、何よりも重要なものとなっています。
貿易業界に向いている人の特徴
- 英語を含め外国語に堪能である人
- 交渉力に富んでいる人
- コミュニケーション能力が高い人
- 仕事の処理が早くマルチタスクができる人
- 自国の文化に加え異文化にも興味を持てる人
貿易業界に向いていない人の特徴
- 日本語だけしか話すことができない人
- 経済や貿易関連の知識がない人
- 交渉ごとに苦手意識がある人
- 複数のことを同時に進めることができない人
- 危機管理に関する意識が低い人
貿易業界の職種適性診断一覧(全3種)
貿易業界の今後の見通し
貿易業界はコロナウィルスの影響によって、経済活動に大きな制限をうけました。
その結果世界経済は大きく落ち込み、日本の経済も同様に損失をこうむりました。
ワクチンの摂取が進んだことで徐々に経済活動が活発になり、同時に貿易状況も改善の兆しを示しています。
しかしながら変異種の存在も懸念されているので、完全に楽観視できる状況にはなっていません。
日本の貿易業界が今後取り組まなければならないことには、世界的なデジタル経済の発展・気候変動の加速への対策・グローバルサプライチェーンの最適化などがあります。
コロナ禍が収束していく動きと並行し、世界経済の構造再編とデジタル化は進んで行くでしょう。
人間の活動の活発化は気候変動を早めることにもつながるので、カーボンニュートラルや脱炭素化への動きも待ったなしになります。
貿易業界の課題
日本の貿易業界が抱えている問題には、2つの種類のものがあります。
1つ目は産業の空洞化のような伝統的に悩まされてきた課題です。
産業の空洞化によって日本経済の屋台骨である製造業が、海外に移転してしまいました。
その結果日本国内の産業が衰えていき、日本人の就職先が少なくなってしまっています。
技術も継承されないことで新たな産業も起こらず、国内でお金が回らないため国力が少しずつ落ちていってしまうのです。
2つ目の課題は、台頭する隣国に起因する課題となります。
米中の貿易摩擦は大きくなり、関税障壁は高くなっています。
アメリカと中国はどちらも日本と海を挟んで隣り合っているので、影響は甚大です。
中国は経済安保上の問題や強制技術移転の問題も抱えているので、貿易業界にとって付き合うのに難しい国になっています。
貿易業界の代表的な会社
三菱商事
東京都丸の内に本社を構える総合商社で、三菱グループの中心会社です。土佐の坂本龍馬が作った会社を、同じ土佐出身の岩崎弥太郎が引き継いだのが三菱商事の起源になります。
三井物産
金属やエネルギー関係が強い総合商社です。
伊藤忠商事
東京都と大阪市に本社を構えている総合商社です。衣食住に関わる様々な産業に携わっています。
丸紅
金属などの資源分野と食料関係などの非資源分野に強い総合商社です。
住友商事
資源分野で主に収益を上げていますが、不動産業でも有名な商社です。
日本郵船
1885年に創立された大手海運会社です。定期船事業だけでなく不定期船事業でも収益を上げています。