ホテル業界とは？職業、向いている人、今後の展望など解説

ホテル業界とは、リゾートホテル、ビジネスホテル、シティホテル、アーバンホテルなどのホテルで働く人達の業界です。ホテルは種類ごとに形態が大きく異なりますし、提供するサービスも、観光客や出張しているビジネスマンなどが宿泊するための部屋、結婚式場などのイベント会場、飲食をするレストラン・喫茶店などに分かれています。どの種類のホテルで、どのような部署に勤務しているかによって、仕事の内容は大きく変わるでしょう。

ホテル業界に向いている人の特徴

接客が好きで初対面の人でも円滑に話せる人
語学力があり訪日客の対応に自信がある人
荷物運びや巡回をこなせる体力がある人
利用客からの要望に柔軟な対応ができる人
作業のスピードが早く予定通り行動できる人

ホテル業界に向いていない人の特徴

人と接するのが苦手で上手く話ができない人
自分で物事を考えて行動することが苦手な人
異文化に対して理解や敬意を持たない人
不規則な勤務をすることに抵抗がある人
体力がなく少し力仕事をしただけで疲れる人

ホテル業界の職種適性診断一覧（全5種）

ホテル業界の今後の見通し

ホテルの景気は、旅行やイベントなどで利用する客次第です。

感染症の流行や景気の冷え込みによって、旅行やイベントへの需要がなくなれば、たちまち苦境に陥ります。

例えば帝国データバンクが実施した旅館・ホテル経営の動向調査によると、旅館・ホテル業の倒産件数は2020年には118件、2021年は70件となっています。

倒産に至った原因として大きいのは、新型コロナウイルスによる外出の自粛によって売上が減ったことです。

金融機関による支援が増えたことで、倒産を免れているホテルも増えています。

しかしながら、新型コロナウイルスの流行が完全に終了しない限りは、以前の様な状態には戻ることはないので、今後も倒産するホテルがでてくるでしょう。

国内資本のホテルが苦境に立たされている中、海外資本の高級ホテルが札幌や福岡などに続々と建てられています。

その背景にあるのは、アフターコロナへの備えです。

新型コロナウイルスの流行が落ち着けば、旅行やイベントへの需要が増加すると予想されます。

その需要の増加に対応できるようにと、準備をしているのです。

その予想通りに新型コロナウイルスの脅威がなくなったとき、国内資本のホテルは海外資本の高級ホテルと競争をすることになり、その結果として倒産や吸収合併されるところもでてくるでしょう。

ホテル業界で働くのであれば、そういった動きをよく見据えて就職先を決めなければいけません。

ホテル業界の課題

ホテル業界の課題として深刻なものは、人手不足です。

ホテルの従業員というのは、かなりの割合で非正規雇用者であるため、景気が悪くなるとたちまち人員整理ということで解雇されてしまいます。

ただでさえ、長時間労働・低賃金で離職率が高いのに、雇用が安定しないということで、ホテルが人材募集をしても応募者がなかなか集まりません。

人手不足となれば、そのしわ寄せが既に雇われている人たちにのしかかり、仕事量が増えてしまいます。

そうなれば、働きすぎて体調を壊す人も出てくるので、さらに人手不足が加速します。

そのような状況を改善するためには、ホテルの経営者が働き方改革をしなければいけません。

他に課題として挙げられるのは、近年になって注目されることの多いカスタマーハラスメントです。

カスタマーハラスメントとは、利用客から理不尽なクレームをつけられたり、暴力を受けたりするなどの迷惑行為を受けることです。

客の方が立場が上だという思い込みにより行われるカスタマーハラスメントは、ホテルの従業員を傷つけるものであり、離職する原因にもなります。

カスタマーハラスメントを仕方のないことだと受け入れているホテルが少なくありませんが、放置してはいけないことだとの考えも広まっています。

従業員を守るため、ホテルの営業を円滑に行うためにも、ホテルはカスタマーハラスメントに対して毅然と対応しなければいけません。

しかしながら、対応を間違えればネットで炎上するリスクもあるので慎重さも必要です。