保育業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
保育業界は、自治体が地域に設置する公立の保育所の他、社会福祉法人や株式会社が国や自治体から補助を受けて運営する認可保育所、独自の保育システムを採用している認可外保育所など多くの事業者があります。また、一般に学童保育と呼ばれる小学生を対象とした放課後児童健全育成事業も保育サービスの一つと捉えられることもあります。
保育業界に向いている人の特徴
- 子が成長していく過程を見守るのが好きな人
- 人に対して丁寧に対応できる人
- 多職種のスタッフと協力できる人
- 年間行事の企画や運営に精力的に携われる人
- 音楽や図画工作など芸術に関心が高い人
保育業界に向いていない人の特徴
- 予想外のことに臨機応変に対応できない人
- 給料が低いことについて不満を感じやすい人
- 仕事よりも自分の生活を優先して行動する人
- 普段から健康や栄養について興味がない人
- 時間を守るのが苦手で遅刻しがちな人
保育業界の職種適性診断一覧(全4種)
保育業界の今後の見通し
保育業界は、多くの事業者が厳しい少子化の影響に直面する中で、共働き世帯の増加に伴う多様なニーズへの対応が急務となっています。
民間の認可保育所の中には、様々な働き方の保護者を支援するため、条件を満たす場合に夜8時以降の延長保育を実施しているところや、土日祝日の子どもの受け入れをしているところもあります。
また、日々の保育の内容を充実させるために、食育の観点から栄養士や調理師が直接子どもに給食の内容について説明をしたり、季節の行事の一環として子どもと一緒に調理を体験する機会を設けたりしている保育所も増えています。
その他、医療福祉の従事者や工場の従業員など夜間の仕事をしている保護者が多い地域では、夜勤専門の保育士を配置して夜間保育をしているところも増えています。
保育業界の課題
保育業界には、保育士をはじめとした働くの人の賃金の上昇と人手不足の解消という二つの大きな課題があります。
保育士の有資格者数は2021年現在で全国150万人を超えますが、仕事自体がハードで体力を要するのはもちろん、初任給が16万円から18万円程度でその後に基本給の大幅な上昇がないことも人材が定着しにくい大きな理由となっています。
保育所を運営する社会福祉法人や民間企業の中には、勤続年数に応じて手当を支給したり、園長や主任保育士など役職者の基本給を高めにしたりと対策を行ったりするところもあるものの、全国的に新規採用者数の伸びは緩やかになっています。
そうした状況の中、将来にわたり安定的な保育事業を継続するには、それぞれの事業者が求職者に対して職場の魅力をアピールできるかがカギといえます。
保育業界の代表的な会社
JPホールディングス
全国200以上の保育所と80以上の学童クラブ運営
グローバルキッズ
全国170か所以上の保育所運営
ポピンズHD
全国300か所以上の保育・教育施設運営
ニチイ学館
全国209か所の認可・認可外保育所運営
テノホールディングス
全国200以上の保育所・学童クラブ運営
ネス・コーポレーション
都内と川崎市に24の保育所運営
ソラスト
首都圏を中心に14の認可保育所と4の認証保育園運営
モード・プランニング・ジャパン
全国に10の認証保育園と53の認可保育所運営
ベネッセスタイルケア
約80の保育所、学童施設、児童館運営
社会福祉法人敬愛学園
東京八王子市と町田市を中心に11認可保育所と9つの学童クラブ運営