銀行業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
会社の運営や家庭での生活に必要不可欠となる、お金に関する様々な事業を行う業界です。具体的には、銀行独自の口座を開設してもらう形での預金業務に加え、顧客にお金を貸し出す業務も該当します。また、電気代といった公共料金支払い等を目的として、口座振替といった方法による、振り込み及び送金を行う業務も行っている点が、大きな特徴です。
銀行業界に向いている人の特徴
- 膨大な数字の計算に強い人
- 金融に関する情報収集を行うのが好きな人
- 書類を細かくチェックするのが得意な人
- 会社の経営状態に対して、興味や関心がある人
- 責任感や正義感が強い人
銀行業界に向いていない人の特徴
- 簿記に関する仕事に対して、苦手意識が強い人
- お金の計算が苦手で計算ミスしやすい人
- コミュニケーションを取るのが好きではない人
- 年功序列型の縦社会が嫌な人
- 論理的思考力が求められる仕事に抵抗がある人
銀行業界の職種適性診断一覧(全2種)
銀行業界の今後の見通し
高収入が期待でき、安定して働ける業界として、高い人気を誇っていたのが、これまでの銀行業界でした。
しかし、日本銀行のマイナス金利政策が長期化した中で、預金等の利息収入額が大幅に低下してしまい、銀行業界の経営環境は悪化しているのが現状です。
とりわけ、地方の経済を支えている地方銀行の経営状態は、深刻なものとなっています。
さらなる経営状態の悪化や倒産を防ぐため、近隣にある地方銀行同士での合併等が積極的に行われるようになりました。
銀行同士の合併が進めば、当然ながら支店等の統廃合も行われるため、支店が存在しない地域も出てくる可能性があります。
今後は、ほとんどの銀行業務について、支店の窓口で行う形式から、ネットを活用して行う方式へシフトが進んでいくと予想されます。
銀行業界の課題
預金や住宅ローン等による利息収入に依存する銀行業界にとって、収益性の低さといった課題の解決が、最大のテーマです。
利息収入は、日銀の金利政策に大きく左右されるため、マイナス金利政策による低金利下ではますます収益が減少していきます。
銀行同士の合併により、日本国内の支店を減らしていく一方で、東南アジア諸国を中心とした海外事業を推進する方向へと、ビジネスモデルを変化させているのが現状です。
銀行内での業務においても、様々な範囲でコストカットをしています。
有名な事例としては紙の通帳に対する扱いが該当します。
新規に口座を開設する際に紙の通帳を発行しない、あるいは紙の通帳の発行そのものを有料化する銀行も登場しました。
さらに、それまで無料でできていた、ATMでの硬貨の取り扱いに手数料を設ける等して、少しでも収益を上げる取り組みが行われています。
銀行業界の代表的な会社
三菱UFJ銀行
日本国内でも知名度の高い都市銀行として知られ、東南アジア諸国への海外展開も積極的に行う
三井住友銀行
ネット銀行であるジャパンネット銀行や、三井住友カードといったクレジットカード会社を傘下に収める都市銀行
みずほ銀行
47の都道府県に支店を構える唯一の都市銀行で、裕福層に対する資産運用部門を保有する一方、フィンテックにも積極的な側面を持つ
りそな銀行
国会議員会館内に支店を構える都市銀行で、埼玉県及び大阪府、兵庫県を営業エリアとする銀行を、系列グループとしている
ゆうちょ銀行
日本郵政グループの銀行部門で、郵便局内でのATM運営をメインに行う民間銀行