警備業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
警備業は警備を依頼する依頼者と警備会社が契約を結んで警備にあたり、人や財産を守るプロとして安心安全な暮らしを支えています。業務内容は警備業法によって、施設などで巡回等を行う「施設警備業務」、道路工事やイベントなどで誘導などを行う「交通・雑踏警備」、現金や美術品などの警護をする「輸送警備業務」、人や団体などを守る「身辺警備業務」と4つに分類され、それぞれ法律に則って業務を遂行することが定められています。
警備業界に向いている人の特徴
- 仕事に対する責任感や使命感を持てる人
- 同じ作業を繰り返しても集中力が保てる人
- 周りに気遣いができる思いやりのある人
- 現場に対応できる体力に自信のある人
- コミュニケーション能力が高い人
警備業界に向いていない人の特徴
- ルールをきちんと守ることができない人
- 人と接することが苦手な人
- ルーティンワークを苦痛に感じる人
- 新しい知識やスキルを覚えようとしない人
- 臨機応変に対応するのが苦手な人
警備業界の職種適性診断一覧(全3種)
警備業界の今後の見通し
警察庁の「警備業の概況」には、全国警備業協会が警備業者を対象に実施した売上高の調査結果が公表されています。
2021年の売上高は回答のあった9,098業者の総額で3兆4,537億6,500万円となっています。
2021年はコロナウイルスの感染拡大の影響で、イベント等の開催が少なかったこともあり「雑踏警備」は減少しましたが、オフィスや家庭向けの契約が増加し、センサー等を利用した「機械警備」が伸びたことから、売上高はほぼ横ばいで推移しています。
コロナウイルスの感染拡大によって多くの業界が打撃を受けましたが、警備業界の売上高は変化が少なく堅調に推移していると言えるでしょう。
また、安心・安全を求める世の中のニーズが高まるとともに、求められる警備の内容も多様化してきています。
そうしたニーズに応えるために、ITを利用した防犯カメラやドローンによる警備、家庭向けの警備サービスなど、警備会社も幅広いサービスを提案しています。
警備業界の課題
警備業界は慢性的な人手不足という課題を抱えています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、令和4年1月の「保安の職業」の有効求人倍率は6.18と高い倍率になっています。
警備員は、警備業法に基づき新任教育を受けなければ業務につくことができません。
業務内容によっては屋外で長時間の勤務になる場合や夜勤などのシフトで働くことも多く、休みが取得しにくいなど労働環境の厳しさもあり、特に若い人材が集まりにくい業界といえます。
また、定年後の就職先として警備業界が選ばれることも多く、警備員の高齢化が進んでいるといった現状もあります。
警備業界の人手不足と高齢化といった課題の解決には、労働環境の改善や研修体制の見直しなどの対策が必要といえます。
休日を取得しやすく柔軟な働き方に対応できるようになれば、若い人材も集まりやすくなるでしょう。
研修制度を充実させれば、従業員の資格取得者も増え稼働率を上げることも可能です。
警備業界ではDX化が遅れていると言われています。
アナログで行われていた業務をデジタル化することにより、経営の効率化を図ることが期待されます。
また、人手不足の解消には、様々なニーズに応えていくためにもITツールやロボットなどの導入も必要になるでしょう。
警備業界の代表的な会社
綜合警備保障(ALSOK)
施設警備や機械警備など幅広い警備業務を行っています。特に金融機関の警備に強みを持っています。
全日警
高層ビルや官公庁、駅や空港などの施設からホームセキュリティまで、セキュリティーサービス全般を手掛けている警備会社です。
セコム
日本初の警備サービス会社であり、大手の警備会社。海外にもサービスを展開しています。
セントラル警備保障
施設警備からホームセキュリティまでセキュリティサービスを幅広くてがけている警備会社です。
アサヒセキュリティ
金融流通事業に強みを持つ警備会社。釣銭の配送や売上金の回収といった業務が多いことが特徴です。
テイケイ
民間企業や官公庁向けの警備業務サービスをメインとしている警備会社です。