葬儀業界とは?職業、向いている人、今後の展望など解説
葬儀業は、人が亡くなった時に葬儀を行い、セレモニーの場所の手配から火葬、寺社供養などのサービスを提供します。葬儀で提供される食事の手配、火葬場へのバスの手配など、葬儀に伴うサービスを個々で提供する会社も存在しますが、一般的に葬儀社がそれらのサービスを取りまとめパッケージとして提供しています。基本的に利用者の居住地域から遠方のサービスが利用されることはなく、葬儀業界は地域に密着した業界だといえます。
葬儀業界に向いている人の特徴
- 遺体を目にしても平常心でいられる人
- 感情移入しすぎずに淡々と業務がこなせる人
- 悲しむ人の心に寄り添うことができる人
- 年配の人への礼儀やマナーを身につけた人
- 不規則な生活サイクルでも大丈夫な人
葬儀業界に向いていない人の特徴
- 遺体を目にしただけで取り乱してしまう人
- カレンダー通りに休みを取りたい人
- コミュニケーションを取るのが苦手な人
- 臨機応変に対応することができない人
- 協調性がなくチームプレーができない人
葬儀業界の職種適性診断一覧(全2種)
葬儀業界の今後の見通し
葬儀業界は人類が存在し続ける限り需要があるため、比較的安定している業界です。
しかし、高齢化社会で死者の数は増え続けているものの、葬儀業の市場規模は横ばいが続いています。
葬儀の多様化により家族葬や直葬などコンパクトな葬儀を選ぶ人が増えたことや、他業種からの葬儀業界への参入が増加し、価格競争が起きて葬儀の料金が低価格化していることが影響しています。
葬儀業界の就業者においては、他業種からの参入が増え、葬儀社自体の数が増えているため増加を続けています。
葬儀業界では、全国的に圧倒的なシェアを誇る事業所は存在せずそれぞれがローカルで覇権争いをしている状態です。
価格競争が続いているため、規模の大きい事業所ほど売上を伸ばし、小規模の事業所の売り上げが減少している傾向があるため、今後は大規模の事業所のみが勝ち残っていく構図が予想されます。
葬儀業界自体が縮小することはないでしょう。
葬儀業界の課題
葬儀業界が直面している課題は、葬儀費用の低価格化です。
盛大な葬儀をする人が少なくなったのが一番の問題ですが、ネット社会となり色々なサービスを比較できるようになったため、消費者の目も厳しくなっています。
それぞれの葬儀社が、サービス料金を明確化するなど消費者に分かりやすく提示して理解を求めることが必要になります。
また、葬儀は人が亡くなって初めて成り立つ仕事であるため、いつ忙しくなるのか予想ができません。
いつでも対応できるようにローテーションを組み出勤している事業所が多いですが、葬儀がない場合は人員の無駄遣いになってしまいます。
価格競争により収益が横ばいの中、葬儀がない時に人材をどのように有効活用するかが、葬儀業界が抱える課題となっています。
葬儀業界の代表的な会社
べルコ
国内最大手の冠婚葬祭事業を展開
セレマ
京都を中心に冠婚葬祭互助会の運営
日本セレモニー
山口県を中心に冠婚葬祭事業を展開
ユウベルグループ
冠婚葬祭互助会事業を全国的に展開
アークベルグループ
新潟県・山口県で冠婚葬祭互助会事業を展開
アルファクラブ武蔵野
埼玉を中心に、冠婚・葬祭・互助会サービスを展開
燦ホールディングス
ライフエンディングパートナーとして葬儀サービスや葬祭会館などの運営
レクスト
冠婚葬祭や婚活支援、レストラン事業などを展開
ティア
名古屋・愛知・東京・大阪を中心に葬儀サービスや葬儀会館の運営
サン・ライフホールディング
冠婚葬祭・介護事業などを展開